「実家から、たくさん食材を送ってきてくれたのー。
みんなで一緒に食べよっ!」
というUSAさんのお誘いで、USAさん宅に遊びに来ているまゆさんとてんまさん。
本日は三人で、実家からの仕送りパーティーです。
「いっぱい食材があるからいっぱい食べてやるー!」
とUSAさんは張り切っているようです。
「USAちゃん。
何を送って貰ったの?」
「う~んとねぇ」
にんじん・アスパラ・ブロッコリー・ピーマンなど、主に緑黄色野菜が中心。
「うちの家族、野菜好きなのよ」
「何となく想像がつく気がする」
他には日持ちのするレトルトや既製品のお漬物・梅干しなどがありました。
「USAちゃんのお母さん、子ども思いだね」
「子ども思いっていうか、いつまでも子ども扱い?」
母親の好意は有難いのですが、食材の量を見ただけでUSAさんは少し胸焼け気味。
なので食欲を増進させるため、漢方薬を飲むことにしました。
「あ~でもあたし漢方薬苦手なのよね」
USAさんは薬をオブラートに包んで、飲もうとしています。
「こらっ、包むなっ」
「包むな?」
「ダメだよ、包んじゃ」
「何よ?てんまちゃんまで。
だいたいまゆちゃんだって、生薬の専門家のくせに、漢方薬苦手じゃない」
USAさん、何故だかオブラート包みを止められる。
彼女が服用しようとした胃腸薬の一種、苦味健胃薬。
これは味覚や嗅覚から胃粘膜を刺激し、食欲増進を促す作用のある薬です。
オブラートに包まないほうが、より薬の効果が発揮されるのです。
「え~このお薬。
オブラートしちゃいけないんだ…」
「飲むのが嫌ならさ。
罰ゲームって事にしよう」
「罰ゲーム?」
「芸能人とかよくテレビの罰ゲームで、苦い漢方茶飲んでるじゃん。
勝負に負けた罰なんだから、苦くても飲まなきゃ感出るでしょ?」
「う~ん…
なんだかよく分からないけど、勝負するのは面白そう!」
なぜだか突然まゆさんとUSAさんが、対決することになりました。
勝負に負けた方が、漢方薬を四の五の言わずに飲むというルールです。
「なんの対決するの?」
「相撲で勝負しようぜ」
「お相撲?」
「負っけないぞ~!」
「なんでよ、嫌よ」
「何?やなの?
じゃあ、てんま。クイズ出して」
「クイズ?あたし?」
まゆさんとUSAさんは、クイズ対決をすることになりました。
3問中、より多く答えられた方の勝ちです。
「クイズかぁ。じゃあね~…」
てんまさんのセンスで、クイズが出題されます。
「では第一問!じゃじゃんっ。
いかとたこの心臓はいくつあるでしょう」
「いか…たこ?」
「心臓?」
「1個?」 「1個!」
二人ともほぼ同時に答える。
「あたしの方が早かった」
「あたしよぉっ」
「ってか1個じゃないの?
問題にするってことは、1個じゃないよね」
「察しがいいなぁ。1個じゃありません。
二人とも不正解デ~ス」
「え~?うそぉ。
そりゃあ問題にするくらいだから…
でも…心臓の数でしょ?」
正解:3つ
いか・たこには主な心臓が1つ。
そして身体の左右にあるエラにそれぞれ一つずつ、エラ心臓があります。
酸素の消費量が激しいため、主な心臓の補助をする役割があるといわれています。
ついでにたこには脳みそは9つある。
主な脳みそプラス、8本の足にもそれぞれ脳みそが存在しています。
そのためたこの知能は高く、鏡像認知能力もあるそうです。
他にもたこは、瓶の蓋をなんなく開けたり、犬猫のように遊んだり、夢も見るのだそうです。
でも寿命は短く、5年程度。
もっと寿命が長ければ、たくさん学習することが出来て、さらに高い知能を手に入れられただろうに…
「あのさぁ、クイズ部分より解説の方が長いんだけど。
それに脳みそ9つの方が、インパクト大きいんだけど」
「でもあたしも映像で見たことあるけど、たこってホントに頭良いのよね」
「そんならUSAの代わりに調剤事務やってくれないかな?
足がたくさんあるから調剤棚から薬を取り出すピッキング作業も、素早くやってくれそうじゃない?」
「む……ちょっとてんまちゃん。
次っ、次のクイズ」
次回へ続きます