マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

オブラートで包んではいけない薬の服用方法 その1

「実家から、たくさん食材を送ってきてくれたのー。

みんなで一緒に食べよっ!」


というUSAさんのお誘いで、USAさん宅に遊びに来ているまゆさんとてんまさん。



本日は三人で、実家からの仕送りパーティーです。




「いっぱい食材があるからいっぱい食べてやるー!」
とUSAさんは張り切っているようです。




「USAちゃん。
何を送って貰ったの?」


「う~んとねぇ」


にんじん・アスパラ・ブロッコリー・ピーマンなど、主に緑黄色野菜が中心。



「うちの家族、野菜好きなのよ」



「何となく想像がつく気がする」

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他には日持ちのするレトルトや既製品のお漬物・梅干しなどがありました。



「USAちゃんのお母さん、子ども思いだね」


「子ども思いっていうか、いつまでも子ども扱い?」



母親の好意は有難いのですが、食材の量を見ただけでUSAさんは少し胸焼け気味。



なので食欲を増進させるため、漢方薬を飲むことにしました。



「あ~でもあたし漢方薬苦手なのよね」


USAさんは薬をオブラートに包んで、飲もうとしています。



「こらっ、包むなっ」



「包むな?」



「ダメだよ、包んじゃ」



「何よ?てんまちゃんまで。
だいたいまゆちゃんだって、生薬の専門家のくせに、漢方薬苦手じゃない」



USAさん、何故だかオブラート包みを止められる。



彼女が服用しようとした胃腸薬の一種、苦味健胃薬。


これは味覚や嗅覚から胃粘膜を刺激し、食欲増進を促す作用のある薬です。



オブラートに包まないほうが、より薬の効果が発揮されるのです。



「え~このお薬。
オブラートしちゃいけないんだ…」



「飲むのが嫌ならさ。
罰ゲームって事にしよう」



「罰ゲーム?」



「芸能人とかよくテレビの罰ゲームで、苦い漢方茶飲んでるじゃん。

勝負に負けた罰なんだから、苦くても飲まなきゃ感出るでしょ?」




「う~ん…
なんだかよく分からないけど、勝負するのは面白そう!」

 


なぜだか突然まゆさんとUSAさんが、対決することになりました。


勝負に負けた方が、漢方薬を四の五の言わずに飲むというルールです。



「なんの対決するの?」



「相撲で勝負しようぜ」



「お相撲?」



「負っけないぞ~!」



「なんでよ、嫌よ」



「何?やなの?
じゃあ、てんま。クイズ出して」



「クイズ?あたし?」



まゆさんとUSAさんは、クイズ対決をすることになりました。



3問中、より多く答えられた方の勝ちです。



「クイズかぁ。じゃあね~…」



てんまさんのセンスで、クイズが出題されます。



「では第一問!じゃじゃんっ。

いかとたこの心臓はいくつあるでしょう」

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「いか…たこ?」


「心臓?」



「1個?」  「1個!」



二人ともほぼ同時に答える。



「あたしの方が早かった」


「あたしよぉっ」


「ってか1個じゃないの?
問題にするってことは、1個じゃないよね」





「察しがいいなぁ。1個じゃありません。
二人とも不正解デ~ス」



「え~?うそぉ。
そりゃあ問題にするくらいだから…
でも…心臓の数でしょ?」



正解:3つ

いか・たこには主な心臓が1つ。

そして身体の左右にあるエラにそれぞれ一つずつ、エラ心臓があります。


酸素の消費量が激しいため、主な心臓の補助をする役割があるといわれています。


ついでにたこには脳みそは9つある。


主な脳みそプラス、8本の足にもそれぞれ脳みそが存在しています。


そのためたこの知能は高く、鏡像認知能力もあるそうです。


他にもたこは、瓶の蓋をなんなく開けたり、犬猫のように遊んだり、夢も見るのだそうです。



でも寿命は短く、5年程度。



もっと寿命が長ければ、たくさん学習することが出来て、さらに高い知能を手に入れられただろうに…



「あのさぁ、クイズ部分より解説の方が長いんだけど。

それに脳みそ9つの方が、インパクト大きいんだけど」



「でもあたしも映像で見たことあるけど、たこってホントに頭良いのよね」


「そんならUSAの代わりに調剤事務やってくれないかな?

足がたくさんあるから調剤棚から薬を取り出すピッキング作業も、素早くやってくれそうじゃない?」


「む……ちょっとてんまちゃん。
次っ、次のクイズ」


次回へ続きます