マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

夏のお野菜 その3

前回のお話
農家のケイヒさんは収穫したお野菜を、いつもお世話になっているポ村の住民に配りにきました。
小料理屋 三すくみにやってきたケイヒさんは、今から野菜料理を食べさせてくれると聞き、食べたいメニューを考えています。

まずはトマトはサラダね。
ピーマンは肉詰め!さっぱりと大根おろしとポン酢で食べたい。あ、ソースでもいいな。

みそ炒めも食べたい。ナスよりはピーマンのみそ炒めがいい。
ナスは絶対焼きナス。おかかたっぷりでお願いします。

ゴーヤとズッキーニはフリットにしない?


お野菜大好きなケイヒさんは、どんな料理でも大賛成です。

近頃、食欲が無かったケイヒさんですが、これなら少しは食べられそうです。

「お肉モ入レル?」
「肉はいいっす」

「好き嫌いするんじゃない」
「はい、すいませんっ!」

「女将!そろそろ梅酒をくれんか?」
「ハイ。美味シク出来テマスワヨ」

「うわ、梅酒?いい香り。うまそー」
「ネェ、今日ハ外デ、梅酒飲マナイ?」

5月に作ってようやく飲み頃になってきた梅酒。


「いいですね。梅酒ー」
梅はポ村の名産品。
梅酒のお味も絶品なのです。

今日は外のキッチンで料理をしながら、梅酒で乾杯することにしました。


三すくみのみなさんも一緒にお客さんと楽しみます。

小料理屋三すくみ

「ジャア、少シ、待ッテイテネ。オ料理ノ、準備スルカラ」

その間、ケイヒさんは居合わせたマメチュー先生に相談をすることにしました。


「マメチュー先生、聞いてもらってもいいですか?」
「ケイヒさん、どうしましたか?」


甘そうな梅酒を眺めながら、ケイヒさんは語りだしました。

この所、風邪気味っぽかったケイヒさんは、耳の調子まで悪いことに気付き、耳鼻科に行ったようです。


心配性な彼は重大な病気かもしれないと、一生懸命現在の症状を耳鼻科の先生に説明。
すると先生はこちらの話をほとんど聞いてくれていない様子。


「けしからん医者じゃな。そもそもお前は弱々しいから舐められとるんじゃよ」

「ええ、厳しいなぁ」


舐めていたとしても、それは医師が話を聞かなくてもいい理由にはなりません。

続きます。