マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

秋のひととき その4

前回の続き

薬剤師の仕事に役立たせるために、色々な資格を所有しているマメチュー先生。

今そんなマメチュー先生が資格以外に欲しいもの…



「薬草園…いいですよねぇ」


マメチュー先生は夢を見ているみたいに、語っています。


「家康も作ったという薬草園ですか?」



「植物たちによる薬屋さん…そんな風にしてみたいんです」


「白魔法使いのお庭みたいですね」

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本当に薬草園というか、生薬畑のようなものを作るのは薬剤師をしながらは大変だと思います。



「ケイヒさんに、お手伝いをお願い出来れば良いんですけど…
生薬や漢方の匂いが苦手みたいで…」



かぼちゃをくれた、農業をしているケイヒさん。



漢方薬などは特に臭くて、服用するのが苦手なのだそうです。


“飲む前も飲んだあとも匂いのせいで、吐き気がするんですよね…”


「確かに独特な匂いがするものも多いですもんね」




「そういえばまゆさん」


「なんすか?マメチュー先生」


「虫が苦手ならハーブなんかを植えてみたらどうでしょう?」


「ハーブ?」


「苦手な虫が寄り付かなくハーブもあるんですよ?」



ハーブを乾燥させポプリにしなくてもタンジーや、ローズマリーは、栽培しているだけで虫が来なくなります。



「なるほど…家のまわりに植えればいいんだ!
苦手なものが来なくなる…」



そう呟いたまゆさんは、パゴロウさんに声をかけました。


「ねえ、パゴロウくん」


「はいっ、なんでしょうっ」


「うちのにゃこっていうか、ねこが“苦手”だって聞いたんだけど…」


「あっうっ、すっすいませんっ!
あっあのっ…でも」


「そんなに気にしなくていいんだからね」


「あっああ…え?」


「聞いたでしょ?あたしだって虫嫌いだもん。
あの方(ゴキさん)を好きになれって言われたって無理だもん。
だから無理には仲良くしようとかは、いいからね?ストレス抱えないようにね」


「あっ…」


「じゃね!
遊び呆けてるにゃこを、そろそろ回収しに行かなきゃ!」



まゆさんはそういうと帰って行きました。



ありがとうございます。

でも無理とかじゃないんです。

ボクも仲良くなりたいんです、ねこさんと。

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「ふーふー」


突然木じじいが、やたらと何か言いたげにしています。



「どうしました?」


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木じじいをよく見ると枝に五円玉が、つきささっている…


まるで金のなる木のようにされてしまっています。


「これは、まゆさん…ですかね?」


「ふーふー!!!」


金のなる木は、運気を引き寄せると言われているそうです。



新芽が小さいうちに五円玉の穴に通しておき、抜けない状態にして枝にお金がなったようにします。



引き寄せた運気にご縁(五円)をつなげる…



「薬局には微妙ですかね?
患者さんが増えるということは、病人を増やすという事ですから…」


マメチュー先生は丁寧に木じじいから、五円玉を外してあげる。



でも金のなる木という名のごとく、金運もアップするそうです。



“お金があれば経営の事を考えずに、患者さん一人一人にもっと時間をかけられる”


まゆさんがそんなことを言っていた事がありました。


マメチュー先生のためでしょうか…


とりあえずはこれからも“家康の薬”ではなく“マメチュー先生の薬”を売って、患者さんに愛されるマメクスリカフェにしていきたいな…
そう思っています。

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