マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

にゃこさんの冒険 その2

前回のお話


まゆさんのお使いで、生薬をマメチュー先生に届けに行く事になったにゃこさん。

子どもの雷様が、雷雲から降りてきてくれなかったので、USAさんの所を早々に立ち去る事にしました。


「あーあ
お腹減っちゃったにゃ。
もうまゆちゃん所に帰るにゃ」

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どうやらにゃこさんは、まゆさんにお使いを頼まれていた事を、忘れてしまったみたい。

テコテコ歩いて、おうちを目指します。


「おーいっ。
おーい、にゃこ-!」


誰かがにゃこさんを呼んでいるようです…

 

「にゃ?」


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にゃこさんを呼んでいたのは、農作物用のお水を雨雲から採取していたケイヒさんでした。

 

「一瞬見たことのない生物が、村をうごめいてると思っちゃったじゃん。
その被ってんの何?」

 

「…………」

 

にゃこさんは、ケイヒさんのお話には上の空。


雨雲を熱心に見つめています。


ケイヒさんに頭を“ポフポフ”されているにゃこさんですが、雨雲から何かが飛び出して来たことに素早く気が付きました。


「お魚にゃっ!」


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お腹が減っていたにゃこさんは、ケイヒさんの元を離れ、お魚を追いかけて行きます。

 

「あれ?にゃこもう行くんか?」

 

「んにゃっ」

テテテテテテ-


にゃこさんは、水のある所へ向かうお魚の後をついて行く事に…

 

「すばしっこいお魚にゃねっ」

ステテテテテ-


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「ここにお魚逃げたにゃね。
にゃこさん分かってるにゃ」

 

お魚が向かった先の水たまりには、魚釣りをしているトウキさんがいました。

 

「この中にゃ」

 

にゃこさんは、一生懸命お魚が逃げ込んだと思われる水たまりの中に、手を突っ込んでいます。


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お魚に夢中のにゃこさんは、トウキさんに見つめられている事に、全く気付いていません。

 

「…………」


一方のトウキさんはお帽子をかぶって、何やら真剣な顔をしているにゃこさんにハマってしまったみたいです。


「…ぷっ」


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「なんにゃ?」

 

笑われている理由が分からないにゃこさん、怪訝な顔でトウキさんを見つめます。

 

「…変な奴にゃよ」


再びお魚を捕まえようとしたその時、何か動いているものに気付く。


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にゃこさんは前にてんまさんに教えて貰った、アメンボの話を思い出しました。


“可愛いな、アメンボだ。 
こんな水たまりに…
どこかから飛んで来たのかなぁ?
陸の上も歩けるみたいだけど。
知ってる?
ウミアメンボって言う、海に住むアメンボもいるんだって。
海を泳ぐ所、見てみたいなぁ”

 

“何でわざわざ水の上になんかいるんにゃすか?
お水にゃんて怖いし、動きづらいだけにゃす”

 

“溺れている虫を捕まえて食べる為だよ”

 

“溺れてる…”

 

にゃこさんは、まゆさんと追いかけっこしている所を想像する。


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“元気に走るまゆさん”と
“足を怪我してびっこ引いてるまゆさん”


「弱っているまゆちゃんを捕まえても、楽しくないにゃ…」


猫さん、高い運動能力を存分に発揮したい。


「自分の力で捕まえた方が楽しいにゃ」

 

にゃこさんは色々想像しては、何やらブツブツと言っています。

 

ですがその時………


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トウキさん、長靴釣りに成功。

自分で落としたのでしょうか…

 

しかし小さなにゃこさんの頭にぶつけてしまった為、怪我していないかお帽子をとってしっかり確認。


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どうやらマメチュー先生のお帽子がクッションになってくれたのか、にゃこさんに怪我は無かったようでトウキさんも安心。


「んにゃっ」


にゃこさんはそのお帽子をきっかけに、まゆさんにお使いを頼まれていた事をようやく思い出します。


にゃこさんのお帽子を作ってくれたマメチュー先生にお礼の生薬をお届けする。

 

「にゃこさんマメん所、行くにゃ」


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マメチュー先生のお店に着くと、今日はお店がお休みだったのか、クラゲさんとお外でおやつを食べていました。


なので猫さんが、苦手なパゴロウさんもいないようです。


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「これあげるにゃ」

 

「ありがとうございます。
サンシシ?まゆさんのお使いですか?
にゃこさん、おりこうさんでしたね。」

 

「にゃふっ」

 

「お帽子お似合いです。
早速被ってくれて…」

 

「にゃすっ」

 

「何だか少しお疲れですか?」


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「お水っ
ありがとにゃす」

 

にゃこさんはお疲れの上、丁度ノドも乾いていました。

 

ゴクゴクとお水を飲もうとしたその時…


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いつの間にか、にゃこさんのお帽子の中に入っていたアメンボさんが、ひょっこり出てきました。

 

コップの中のお水の上で、すっかり寛いでいます。

 

「アメンボさん?
お空も飛べてお水の上もスイスイ泳げるなんて、アメンボさんは無敵ですね」

 

「にゃこさんは、お水怖いにゃ…」

 

「でもにゃこさんも飛ぶように身軽に走り回れるし…
一瞬で高い所までジャンプも出来るし…」

 

「それって」


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猫さんは、可愛さも無敵です。