です。

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

ダニアレルギー その2

前回のお話


スギ花粉やダニアレルギーに、悩まされているケイヒさん。



そんなケイヒさんの元に、友人の美容師ハイエさんから電話がありました。




「ケイヒ、いつも鼻炎が酷いだろ?」



「え?うん」



アレルギーを改善させるには、お客さんから聞いたという“舌下免疫療法”がいいと、教えてくれました。



その事をケイヒさんに紹介するため、わざわざ電話をくれたようです。

f:id:maricats:20210424201444j:plain

「うちのお客さんが言うにはさ。

スギ花粉とダニアレルギーに効くんだって。

ケイヒしょっちゅう大変そうにしてるからさ」




「舌下免疫療法?

何となくだけど、聞いたことあるかも」




「根治する可能性もあるらしいよ」




「根治する?

いいじゃんそれ!

すっかり治るなら、早くやりたいくらいだ」




「詳しいことはさ、くまじろ先生とかマメチュー先生に聞いた方がいいとおもうけど」



「うん」



「ただ、デメリットがあるらしい」




「デメリットってどんな?」



「えっと、ちょっと待って」




ハイエさんは友人のケイヒさんの為に、メモをしてくれていたみたいです。



「約2~3割ほどの人には、効果があまり感じられない事もあるって」




「やってみなきゃ分からないってことか…」



「それから最低三年は、投与を続ける必要があるらしい」



即効性はないので、治療を継続する必要があります。



アレルギー体質を変えて、根本的な改善を目的とした治療です。




「三年かぁ。大変だな。

でも毎日何回も鼻水を、かみ続けるよりはマシかも」





「じゃあいいじゃん。やってみれば?

アレルゲンである、ダニエキスを投与をするんだって」



「…え…」




「シダキュアって薬がスギで、ミティキュアがダニアレルギーの薬らしいよ」



「ちょ、ちょっと待って!何?」



「だからダニエキスを…」



「ダニエキスを舌に垂らす?

ダニを?」




ケイヒさんが大嫌いなダニ。




「おえぇぇぇぇ」




「?どうした?ケイヒ…」



「気持ち悪い…」



青ざめ、鳥肌を立てているケイヒさん。

f:id:maricats:20210424201531j:plain

「あれ?
ケイヒのデメリットってそっち?」




「だって、ダニだろ?

潔癖症の人とか、他にも無理な人いるだろ、それ」




「どうだろ…」




「しかも毎日ダニ?」




「でもさ、それで治ったら?」



「な、治ったら?うぅ~ん…」



改めてメリットとデメリットを考えてみる。



毎日薬を投与する必要がある。



“毎日薬”



それは他の慢性的な、病気の治療でも同じです。




病気を治療するというのは、メリットだけがあるわけではありません。




手術にだって、放射線治療にだって、デメリットはある。



“とはいえダニ…でも鼻水…この鼻水のせいで…”




ラーメン好きだけど、鼻水が大量に出て大変だから、なかなか食べに行けない。


f:id:maricats:20210424201601j:plain

いや、ラーメンによる鼻水は、アレルギー関係無いですが…




しかし掃除中に出る鼻水は、アレルギーが原因。



おそらくダニが飛び散っているのでしょう。



鼻をかみながら掃除をするため、はかどりません。

f:id:maricats:20210424201640j:plain

でもそんな苦しい日々も、治療すれば解放される。



長年の悩みが無くなる…かもしれない。



しかしさらに他のデメリット。




薬なので、副作用があります。



口内炎、舌や唇の腫れ、口の中の痒み、不快感。

アナフィラキシーショックを起こす可能性もある。



費用も初回は5000円ほどで、以降は毎月2000円位は掛かってしまいます。




「やっぱり一回、よく考えることにするよ」



「そうか。それが良いかもね。
無理に今日、決めることもないし」



「わざわざ教えてくれたのに…」



「それは気にするなよ。

ただスギ花粉の飛散時期には、治療を始められないらしいから…」



「ん?」



治療は6月~12月から開始します。 



ダニによるアレルギー性鼻炎の人は一年中、いつでも治療開始OK。



一方スギ花粉症を併せ持っている人は、飛散期が終了してからでないと、治療は開始出来ません。




なのでケイヒさんの場合、治療を始めるならそろそろ開始時期。




「そうか…
治療をするなら、今のうちに決断しないといけないのか」




「まぁ、とりあえずゆっくり考えてみなよ」



「わざわざのありがと」



ハイエさんとの電話を切った後、少し考えた末、今度はナメ江さんに電話で相談することにしました。



その結果…




“改めて、もう一度よく考える”

ことにしました。





ケイヒさんと似たタイプの人に相談したため、当然こういう結果になる。



新しいステージに行くためにも、交友関係を広げられると良いのですけどね。

f:id:maricats:20210424010616j:plain

舌下免疫治療に使用される薬は、あらかじめ登録された医師・薬剤師がいる登録医療機関・薬局のみで投与、販売を行えます。



薬の成分にはヤケヒョウダニやヒョウダニ等から、抽出されたエキスが入っています。




舌下錠は舌の下に入れて服用。



これを毎日続けていくと、体が次第に慣れていき、アレルギー症状が出なくなっていくのです。




数年かけて完治、または寛解が期待出来ます。



しかし長い期間治療が必要なので“効果が出ない”と、自己判断で薬の服用をやめたりは、しないようにして下さい。



注意として気管支喘息のある人は、使用出来ないことがあります。




初回は医師の指導のもと、治療を行います。




30分ほど病院で安静にし、体調の変化を確認します。




2回目以降は自宅で服用可能。



ただ副作用を考慮する必要があるため、家族がいる・日中に服用する等の配慮が必要。



その後、徐々にアレルゲンを増量していきます。



服用後は運動、飲酒は避けるようにしましょう。