です。

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

夜盲症 その1

ポ村で一人。

誰にも気付かれることのない深夜…

“人を殺す薬”を作っている男カシュウ。

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ポ村で作る理由は、致死性が高いと言われている毒草があると聞いたからだ。



噂レベルではあるのだが、ポ村の上空に浮かんでいるという。



空中に浮かび虫を捕食して、栄養を取り入れているため“食虫エアプランツ”と言われているらしい。




外に出ていたカシュウは、羽音に気付いてカラスの足をつかまえる。

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「ああっ!アナタさまは」



「頼んだものは?」



「持っていないのだす」



「なんで?」



「見つけられなかったのだす。
虫が多いところにいると思って、探したの出すけれど…

ついワタスが虫を食べることに、夢中になってしまったのだす」



「……」



「ごめんなさいだす」



上空を見上げるカシュウ。

そこには星空が広がっていた。



「ごめんなさいだす」



鈍くさそうなカラスはまだ謝っている。



「星が落ちてきそうだ」



カシュウは星空から目をそらす。




「星だすか?」


ガラスも空を見上げる。



「きれいだす」

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一方カシュウは見ていられないといったように、星空から目をそらしていた。



“星空恐怖症”



空が落ちてきそうな恐怖を感じる。



カシュウは“星空恐怖症”のうえ夜盲症、いわゆる鳥目である。



本来、夜の活動には向いていない。



カシュウは幼い頃…

日が落ちたため、辺りが見えづらくなり、道に迷った事があった。



その時、助けを求めるように空を見上げた。


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そこにあったのは夜空に浮かぶ星々。



その星々に睨まれているように感じた。




この地球を監視するような無数の目に…



そして今…


自分に向けられるその監視の目が、さらに厳しくなっているように思える。



「どうかしただすか?

次はがんばるので、落ち込まんで下さいだす」



カラスはいつまでも、ピントのずれた事を言い続けていた。



続きます