前回のお話
七夕の夜に織姫と彦星が、天候に左右されること無く、毎年会えるようにとお願いをするトビーくん。
「そもそも何で織姫と彦星は、年一しか会えないわけ?
毎日会ってりゃ良いじゃん」
「あっうん。
えっと、それはね…」
独身時代は、とっても働き者だった織姫と彦星。
それなのに結婚したとたん、仕事もせずにイチャイチャ生活。
一にイチャイチャ。
二にイチャイチャ…
あきれるほどに、イチャイチャ優先生活。
当然、織姫の父である天帝おこ。
新婚の織姫、彦星は面会年一回のみの別居生活を強いられる事になりました。
「自業自得じゃねえかよ」
「ねぇてんまちゃん。
それって大好きってことでしょう?
だったら、やっぱり会わせてあげたいな」
「知ってるか?トビー。奴らはさ…
すっごい長生きなんだぜ」
「長生き?」
「良いにゃあ」
「そう言えばそうだよね、まゆちゃん。
例えば人間は生まれてすぐに運命の人に出会って、100歳まで毎日会っていたとしても36500日位しか会えないんだけど…」
「にゃ…?さんまん?」
ベガは現在約3億歳です。
地球は約46億歳なので、織姫はまだ若い娘さん。
アルタイルは、織姫よりもだいぶ年上の10億歳。
年一しか会えていなくても、1億日位は余裕で会っている事になります。
「それは飽きるよな。
天帝は一生涯仲良くいてもらうため、年一回会う程度にとどめたんじゃないの?」
「ええ?そうかなぁ。
飽きるなんてあるのかなぁ。
ボクはきっと1億年たっても、10億年たってもママに飽きることなんて無いと思う。
だって大好きだもん」
「うんうん、そうだよね。
分かる、分かる」
「分かるにゃ。
好きなものとは、毎日一緒にいたいにゃ」
てんまさんとにゃこさんは、まゆさんの方を眺めながら、トビーくんにこたえています。
そのトビーくんは、短冊を書き換える事にしました。
“織姫さまと彦星が、毎日会えますように”
「素敵なお願いごとにゃあ」
「トビー君、てんまサン、まゆサン。
オ食事ノ用意ガ、出来マシタヨ」
「ナメ江だ!」
「待ってたよー」
小料理屋“三すくみ”の女将ナメ江さんが、お食事を持ってきてくれました。
七夕では五色そうめんを食べるそうです。
「わー、そうめんの付け合わせに豚しゃぶ?」
「ごまだれもあるっ」
ごまだれにはゴマリグナンが含まれています。
ゴマリグナンは、ミネラルが豊富で強い抗酸化作用もあります。
「それって、ずっと元気でいられるって事?」
「そうだよ」
「じゃあ、しっかり食べて長生きして、ママとずっと一緒にいよう」
再び口をはさもうとするまゆさんを、抑えるてんまさんとにゃこさん。
「ずっと一緒にいれるといいね。トビー君」
「うん!」