ぽんちゃんそして、ポにゃちゃんと、ねこさんを貰ってきがちなポあね。
しかし数年前のある日、今度は父がこねこを連れ帰って来ました。
白黒模様のハチワレねこちゃん。
久し振りの子ねこちゃんとの触れ合い。
父が連れているこねこを見ると、生まれてすぐではないものの、まだヨチヨチしています。
体重的に考えても、おそらく生後一ヶ月半ほどだと思います。
その子は父の職場近くの車道の真ん中で母猫さんとはぐれたのか、ひとりうずくまっていたそうです。
その様子を目撃し、助けたという見知らぬ少年…から父は譲り受けたそうです。
赤ちゃんねこを預かってきたのは、ポ姉妹とポにゃちゃんが実家を出る三日前でした。
そして我が家にやって来た赤ちゃんの方はというと、にんげんが怖いらしく全身を使って“シャー”と叫んでいます。
“にんげん。はじめて。こわいにゃぁ”
まだ小さなヨチヨチ赤ちゃんなのに、声も裂けよとばかりに懸命にこちらを威嚇しています。
そんな赤ちゃんを父の職場関係のおばさんが引き取ってくれるまでの三日間、うちで面倒をみることになりました。
赤ちゃんを引き渡す日と、実家を出る日が一緒。
突然、ねこの赤ちゃんの、お世話生活の始まりです。
でも相変わらずその赤ちゃんは、チラッと顔を見るだけで“カーッ”と怒ってくる。
「そんな顔をして怒ってたら、引き取って貰えないかもしれないよ?」
実家を出るまで残り三日。
赤ちゃんに少しは人慣れして、貰わなくてはいけません。
とりあえず怯えて警戒しているようなので、赤ちゃんが安らぐ場所をこさえます。
しかし急だったため、赤ちゃんのお部屋になるような段ボールの用意はない。
「どうしましょう」
考えた末、ポいもの衣装ケースを一つあけることにする。
その中にふかふかのタオルを入れ、部屋の隅のうす暗い静かな所に、ひとりでいられるようにしました。
「自分の居場所が出来たから、少しは安心するかな?」
「ミーミーミー!!」
そう思っていたのに、今度は赤ちゃん。
“シャー”ではなく、ママを求めるように“ミーミー”とないています。
「寂しくなっちゃったのかな?」
心配で顔を見に行くとやっぱり“シャー”されてしまう。
「う~ん。
どうしたら良いんだ?」
顔を見るだけで怒られる。
でも寂しそうに一日中…
ホントに一日中ずっと、寂しそうにないている。
さらなる問題は、ご飯を全く食べてくれない。
お尻をポンポンしても、トイレすらしてくれない。
今現在の赤ちゃんは毛並みも良く、痩せてもいません。
とはいえこのままご飯を食べてくれないと、いずれ弱ってしまいます。
困っているとにポあねが仕事から帰ってくる。
「ポあねっ!
赤ちゃんがちっとも、ご飯を食べてくれないよ~」
「そうなの?困ったね。
スポイトとかある?」
ポあねが優しく声をかけても、赤ちゃんはなくばかりで出会った一日目の今日は、一口もご飯を食べてはくれませんでした。
次回へ続きます