マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

そろそろ訪れる梅雨の季節

梅雨の時期。

ケイヒさんには毎年抱える悩みがあります。

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花粉が暴れ狂う季節が過ぎっ去ったかと思えば、雨が降り続く日々。

 

家の中で眺める雨は好きですが…

農家を営むケイヒさんは、やっぱり育てているお野菜の体が心配。

 


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雨が気になり窓の外を見てみると、木の下で雨宿り中のにゃこさん発見。

しかも何だかウトウトと眠そうです。

 

「お~いっ、にゃこー」

 

ちょいちょいとケイヒさんに、手招きされたにゃこさんは大事そうにぬいぐるみを抱えながら、テコテコ素直に歩いて来ました。

 

タオルで体を拭いて貰っているにゃこさんは、まだ眠そう。

 

雨の日の猫さんは、いつもより眠くなるんだそうです。


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もこもこと暖かいにゃこさんを抱えていたら、お腹が空いてきました。

 

「あれ、食パン置きっぱなし…いつのだ?」

 

安心しきって眠りこけていたにゃこさんは、その声に目が覚めてしまいます。


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「腹減ったの?」

 

「んにゃ」

 

「じゃあ、ちゅ~るにしような。買ってあるから」

 

「んにゃ」

 

一方食パンを観察するケイヒさん。

「カビてる…」

 

もったいない。でも。

“カビの部分だけ取り除いても、食品全体に菌は既に浸食しています。”

マメチュー先生からそう聞いていたので、勿体なくて、心苦しいけれど、食パンは諦める事に…

 

「腹減ったなぁ」

 

まゆさんであれば、にゃこさんのちゅ~るを取り上げて自分で食べる所ですが、さすがにケイヒさん、そんな発想はありません。

 

だけど食べれない、そう思うと余計にお腹がすいてきます。

 

「今の季節は、そうだなぁ。豆とかがうまい時期だなぁ」

 

サヤエンドウの卵とじ

茹でたそら豆

 

「そう、そら豆!」

そら豆と聞くと、いつも思い出すのが昔読んだことがある不思議な童話。

 

藁と炭とそら豆が出てくるお話。

 


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左から藁・炭・豆です。

シュール過ぎる旅のお仲間。

 

彼らは、おばあさんに食べられそうだった“そら豆”と、そら豆を茹でるために燃やされそうだった“藁”と“炭”です。

 

“あなたたちは何故旅を続けるのですか?”

 

“僕たちが暮らしていた家にいる婆さんから逃げるためさ”

 

もし旅の理由を聞かされたとしても、人間側からするといたって普通のおばあさん。

リアクションに困りそうです。


「へえ~、そうなんだぁ」


って言っちゃいそうです。


さて、おばあさんの元からから逃げる旅を続ける三人。

 

彼らの前に、旅にはつきものの試練が訪れます。

 

「見て、あれ!」

 

「あっ、あれはっ!」

 

「おっおっ、小川だー」

 

そうです。

行く手を阻むように、小さき彼らの前に川が…


川…というか小川が道をふさいでしまっていたのです。

 

「どうしよう」

 

「これではあの婆さんに追いつかれてしまう」

 

そこで1番背の高い藁が、みんなのために橋の代わりになることに。


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炭はマメを押しのけ、我先に橋を渡ろうとします。

 

何しろおばあさんに捕まってしまっては大変ですから…


いや、実際おばあさんは、そら豆一粒と藁・炭の事なぞ、追ってはいないでしょうけど。

 

さてその炭ですが、炭にはまだ炎がくすぶっていたため、橋の代わりをしていた藁に火が燃え移ってしまいます。


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燃えた藁は消えてなくなり、炭はそのまま小川に落下。

流されていきます。


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その一部始終を見ていたマメさん、大爆笑。

その様子はもう


“え?どうしたの?”
と、こちらが心配になるくらいの笑い方。


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そしてマメさん笑い過ぎて腹の皮が裂ける。

ここまでくると、心配を通り越してもう引きます。

 

その腹を通りすがりの人に縫ってもらい、それが原因でそら豆には黒いスジがあるんだとサ。

 

童話のラストには“そら豆さんは幸せに暮らしました”とありました。


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悲しければ悲しいほど、泣けずに笑ってしまうタイプなのかもしれません。

 

しかし、藁と炭に関してはその後、一切記述がされていませんでした。

 

この話を思い出すたびに、そら豆の塩茹でを純粋に楽しめなくなる、繊細なケイヒさん。

 

「塩茹でなぁ。っつーか塩っ!湿気で固まってる!」

 

調べてみると他にも、片栗粉等も固まってしまっていました。

 

「あっ、粉薬は?」

 

固まっている…。

 

「にゃあ」

 

窓辺で何か言っているにゃこさん。

 

「なんだよにゃこ~」

 

外を見るとマメチュー先生とナメ江さんが、雨の中お散歩中。

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「スジ、ない」


なんとなくお腹を確認してしまうケイヒさんでした。