マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

薬局で錠剤を粉砕する その3

前回のお話
患者さんから錠剤を粉薬にするよう頼まれたオウギさんたち。
さらに他の処方箋には、医師から間違った指示が記載されていました。

「たまにですけど、お医者さんによっては患者さんに希望されたことを、そのまま処方箋に書いてしまう人、いますよねー」
医師は病気についてはもちろん専門家なので詳しいですが、薬剤についてはあまり知識がない方も中にはいるようです。

「俺が疑義照会すんの?川原先生に?」
「早く錠剤潰さないと。患者さんお待ちですから。監査は新人にはできませんもの」
「俺と大してキャリア変わらないじゃんか。あ、ロクジョウさん」
「えっは、はいいぃ」

「じゃ、みんな手を出して!」

「じゃーんけーんっ」
じゃんけんの結果。

チョウジさん敗北
チョウジさんが疑義照会、ロクジョウさんが錠剤の粉砕、オウギさんが監査をすることになりました。

「ごめん。ロクジョウさん、ちょっとごたついたから粉砕早くね。ついでに分包機で9包に分包してもらえる?早く、丁寧に、正確にね!」
「はいぃ!」

「オウギさん、川原先生、確認OKです。粉砕の指示はやっぱり無しってことで。ついでにめっちゃイライラされましたー」

「そうか、お疲れっ。あとでいい子いい子してやるからなっ」
「あ、大丈夫です」

一方ロクジョウさん

ええと、“12包セット”

「オウギさん、出来ました。監査お願いします」
「早かったね。ええと…うん?」

正)9包 誤)12包

「あ」
「ごごごごごご、ごめんなさい。間違えました」
「いや、俺こそごめん。急かしちゃったんだよね」
「やり直しますっ」
「ロクジョウさん、ちょっと待って、深呼吸」
「えっはいっ!はふー、はふぅー」
「焦っている時ほどミスは起こしがちになる。だからミスって繰り返したりしちゃうんだよ。とにかく落ち着いて」

「そうだ、ロクジョウさんっ」

イチイさんの、落ち着きグッズ
「あら?よく見たらたまにうちの薬局にいらっしゃる患者さんに似てる。可愛い」

じー

プッ
「ちょっと面白いかも…」

プニってる様子がなんかおかしい
くすくす笑いが止まりません。

「はー。笑ったら落ち着きました。すいません。ありがとうです。もう大丈夫です」

続きます