朝、目覚める直前。
“ポフォフォフォフォッ”
という鳥の羽音が、ベランダから聞こえました。
「あれ、ポポ?」
カラスはもっと“バッサア”という羽音がするはず。
布団から起き出し、カーテンからチラッとベランダを覗いてみる。
「やっぱりポポ」
夫婦なのかお友だちなのか…
ポポのやつが2羽でベランダに、遊びに来ていました。
手が届きそうな所にいるポポですが、怖がらせたら可哀相なので、カーテン越しに静かに覗く。
そのポポたちは次の日も、2羽セットでベランダに遊びに来ていました。
職場のポポ好きの人に、この話をすると…
「フンしに来てるんじゃないの?」
と言われる。
「なるほど」
布団を干す時にちょっと、困るかも…
一応フンをされていないかベランダを、チェックしてみます。
でも幸い、どこにもフンはありません。
じゃあ、何しに来ているんだろう。
ベランダのポポをカーテン越しに眺めていると、地上の人々を眺めているようでした。
そしてベランダから手の届きそうな所にある、電線に飛びうつって、再び地上を眺めている。
なんだか五線譜みたい。
ポポにご飯をあげてお友だちになりたい所ですが、近所迷惑になると思うのでそれは我慢します。
一方ポあねは冬の間していなかった、ベランダのお掃除。
ポにゃちゃんも一緒に、久しぶりの探険アンド日向ぼっこです。
暖かなお外の空気。
風に乗って春の匂いがします。
すでに虫も鳥も飛び回り、活気も感じます。
お掃除するのに、気持のいい季節です。
しばらくしてポあねはお掃除を、ポにゃちゃんは探険を終える。
「もうそろそろお部屋に戻ろうか?」
「にゃ」
普段ポにゃちゃんのあんよは、キレイなピンクをしています。
じじいのあんよは、キレイなピンク。
やっぱりピンク。
ですがベランダを探険し終えた後の、ポにゃちゃんのあんよは…
あんよ黒。
ちょっとだけ黒。
すっかりおじいにゃんのポにゃちゃん。
ですがあんよの黒は、まだまだ歩き回れる証拠なのです。