マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

秋の味覚・銀杏 その4

前回の続き

11月の日曜日の午後、マメチュー先生は三すくみの人たちのお手伝いをするため一緒に銀杏拾いをし、その後の処理を始めていました。


その頃てんまさんは、具合が悪くなって倒れているもち三さんと遭遇し、くまじろ先生の所へおんぶして連れて行くことにしました。

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「銀杏料理ハ何ガ一番オ好キデスカ?」


「一番ですか?
考えた事が無かったので悩みますねぇ」


マメチュー先生は真面目に考えていました。


【三すくみの銀杏料理】
茶碗蒸し・銀杏ご飯・銀杏の串焼きなど


銀杏の苦味が苦手だけど食べてみたいという方には、七味マヨネーズを付けて食べるのがオススメ!


串焼きでは、銀杏とうずらの卵を一緒に食べても相性がいいと思います。



「俺も子供の頃は、銀杏が超苦手だったなぁ。

茶碗蒸しにあの小せぇ銀杏が混ざってんのに気付かず食っちゃうと…

口の中が一気に変な味になってさぁ。
嫌だったなぁ、あれ…」



子どもは大人よりも、苦い味に舌が敏感に出来ているのです。


「食べられるようになったということは、大人になった証拠ですね」


【銀杏が苦い理由】
アルカロイドが含まれているからです。

アルカロイドとはニコチンやカフェイン・コカインなど様々な成分が含まれているもの。



「銀杏が好きってホント、だいぶ大人になった気分になるもんですよね。

子ども舌には無理ですよ、あれ」


「大人のにゃこさんも食べるにゃ」


「大人の味…
そうかもしれないですねぇ。

今は銀杏の串焼きなんて食べ始めたら、止まらないです。

パクパク食べてしまいます」

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「くまじろ先生、いらっしゃいますかぁ?」


「珍しい、てんまさんじゃないか。
どうしたんだい?」

くまじろ先生は、てんまさんが背負っている男性に目をやる。


「おや、その方は…」


てんまさんは医院の中で、倒れていたもち三さんの事を説明しました。


「下痢と嘔吐の症状があるそうです」


【現在のもち三さんの状態】

嘔吐が酷く、水も飲めない



「もち三さん、点滴をしましょうか。
このままだと脱水症状を起こしてしまう」


「はぁ…」

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「いやぁ、出すのにいっぱいいっぱいで、見てないです」


「最近何か生のものを摂っていませんか?」


「いえ、無いですね…」


「そうですか」



こういう時に後ろめたくて、食べていたものをはっきりと言わない患者さんもいるそうです。



「食事はお一人で?
他に同じものを食べた方は、いらっしゃいますか?」


「煮物…食べました」


「…え?…なんの煮物でしょう」


「好きなんですよ、煮物」


質問と回答がかみ合っていないようです。



「健康的な食事をしているつもりです」


くまじろ先生とてんまさんは、顔を見あわせる。

もち三さんは、なにやら話をそらしているように見えます。


“何か隠している?”



怒られると思っているのか…

やはり後ろめたいことがあるのか…



「自覚はあまりないのですが…
食べ過ぎたんですかね?

最近仕事で疲れていて…
食事でストレス解消をしてしまったのかもしれません」



もち三さんはチラチラとてんまさんの存在を、気にしている。


「もち三さん…
少し痙攣しているようだね」

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「どんなに美味しくても銀杏の食べ過ぎには、注意しないといけませんからねぇ」


「ソウナンデスヨネ」


「銀杏って身体に悪いんですか?

逆に良さそうだけど」


「はい、ビタミン・カリウムなど多くの栄養が含まれており、ほどよい量は身体に良いです」



「何デモ程良イノガ、一番ナンデスヨネ」


【銀杏の薬効】
・咳止め
肺や気管支の疾患に良く効くといわれています。

白果が主成分の薬“定喘湯”は鎮咳・去痰作用がある漢方薬。

他にもストレス軽減・免疫力アップ・尿トラブルなどに対し薬効があります。


「身体に良いってことにゃね。
にゃこさんにも分かるにゃ」


種子の部分ではありませんが、イチョウ葉エキスも身体にいいとされています。

血液循環をよくする
認知症や記憶障害
耳鳴り・めまいなどが
改善するといわれている。


海外では医薬品として使用されていますが、日本では健康食品・サプリとして流通。


日本では医薬品ではありませんが、副作用や他の薬との併用禁忌となるものもありますので、服用の際は注意が必要となってきます。


「イチョウの葉っぱまで、身体に良いって話ですよね?」


「はい、但し…」


「え…」


「にゃ…」


次回へ続きます