前回の続き
まゆさんからニャロウィンの日の特別なおまじない“Trick or Treat”を教わったねこさんたち。
ダイちゃん・トト君・にゃこさんはたちはみんなでかぼちゃプリンを届けるため、ニャロウィンパーティーに参加するため、ねこ森町に向かうことにしました。
瞬発力はあるけれど持久力はないねこさんたちは、休み休み遊びながら少しずつ前に進みます。
途中で草をハミハミし、秋にパタパタと飛んでいる虫を追いかけます。
「何して遊ぶにゃ?」
「ガンダムごっこ!」
気付いたらすぐ遊び始めてしまうねこさんたち。
だめだめ!はしゃぎ過ぎです。
「みんなを連れて、迷子になるわけにはいかないにゃ」
犬のおまわりさんであるれん君・ちくわさん・おもちさんにも迷惑はかけられません。
そして夕暮れまでに、みんなでニャロウィンパーティーに参加しなくては!
遊びたくなる気持ちを抑え、みんなは小川にかかる橋を渡り、草原をテコテコ歩いて行きます。
どんどん歩き進めて行くと、目の前に森があらわれました。
今日はいつものポ村の森が、なんだか違って見えます。
なぜなら…
「!!」
「なんにゃ、木じじいにゃ!」
いつもマメクスリカフェにいる木じじい。
虫さんとともにハロウィンの日の、大人のサービスをしてくれているようです。
でもさっきから感じていたのですが、木じじい以外にも何かがいるようです。
「なんにゃろ?」
「敵?やっつけてやる!」
トト君、強気です。
ウロついているのは、何となく小さな生物のようです。
「危ないにゃ!
悪霊の魂とかかもしれないにゃよ」
「そう?」
ここで一旦、これまでに消耗してしまった体力を回復するため、ねこさんたちは休憩をとることにしました。
「ここで休むにゃ」
にゃこさんが休憩場所に選んだのは、ポ村で有名な画家のトウキさんの上でした。
トウキさんは普段からフラフラと歩いては、好きな所でこうして眠っています。
にゃこさんは眠っている人を見かけると、乗っかりたくなるのです。
なにしろ温かいですからね。
「お腹減ったにゃ…」
みんなでかぼちゃプリンを眺めます。
見ていると食べたくなってしまうものです。
“だめだめ”
かぼちゃプリンは、ねこ森町のみなさんに差しあげるのなのです。
「にゃ?ちゅ~るがあるにゃ」
よく見るとバッグの中に、ちゅ~るが入っていました。
どうやらまゆさんが、入れておいてくれたようです。
とはいえ一つしかちゅ~るが無かったので、みんなで仲良く分けて食べることに…
ねこさんたちに乗っかられているトウキさんは、温かいからか再び眠ってしまいました。
休憩中のにゃこさん、ダイちゃんにツンツンされます。
「そろそろ行かないと…」
トト君もチー君に早く会いたそうです。
ダイちゃんも一緒に住む家族のみんなに、会いたそうにしています。
おうちの方も心配しているかもしれません…
このままではかぼちゃプリンも届けられないし、ニャロウィンパーティーにも参加出来なくなってしまいます。
空を見上げると太陽も傾き始めていました。
「きっともう少しでねこ森町にゃ。
もう一踏ん張り、頑張るにゃ!」
しかしにゃこさんは、休憩中に置いておいたかぼちゃプリンが入っているバッグを、そのまま置き忘れてしまいました。
にゃこさんの頭の中は“ねこ森町に行く”それだけでいっぱいになってしまったみたい…
このままではあとでまゆさんに、怒られてしまうでしょう。
そしてにゃこさんが、もう一つ気をとられていること。
やっぱり誰かに見られている気がします。
素早く動く何かがいる…
近頃見かける謎の生物でしょうか?
それともポ村にはびこる悪しきもの?カゲ?
もしくは…
普段からまゆさんに“可愛いから悪い人に連れ去られないか心配”と言われているにゃこさん。
(にゃこさんが可愛いばっかりに、悪霊たちに狙われているんにゃろか…)
可愛すぎてハロウィンの日に、悪い霊に連れ去られてしまうかもしれない…
「みんな!そんなに早く歩いちゃいやにゃ!
置いていっちゃいやにゃ!」
やはり後ろから誰かが、追いかけてくる気配がある。
さっきからねこさんたちの周囲をウロついているもの…
それは何者なのでしょうか?
次回へ続きます