マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

自己判断による服薬拒否 その3

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前回のお話

医療機関がすくないポ村。

ポ村の村長は、都会の薬局で働くイチイさんをポ村まで連れてきていました。

 

そのポ村ですが最近カゲが現れたせいで、未だ心にマイナスの感情を抱えたままの村民がいるようです。

 

そんな中、三すくみでランチをしていたまゆさんは、血圧が高いのに薬を飲んでいない様子のフェネさんが気になっていました。

「ねぇUSA」

「ん?」

「急に何よ」

「冬はさあ、朝に血圧が上昇すんの。それがモーニングサージ」

 

「ふうん。つまり今の時期の朝ってこと?」

「言いたそうだから聞いてあげてるの」

「憎ったらしい?」

モーニングサージが起こると心筋梗塞、もしくは脳卒中等、重篤な状態になる可能性が高まります。

 

「ほら、イチゴ食べなよ。季節ものだよ」

「イチゴ?いつ頼んだの?」

「USAさん、美味シイデスヨー」

 

「食べると血圧下がるから」

「ねぇ、あたし血圧の話なんていつしてた?」

 

「見るからに高血圧っぽい顔じゃない?」

「それどんな顔よ。低血圧っぽいイメージの方がいいんだけど」

 

「そういや、昔は低血圧に色白美人ってイメージあったよね」

「ってかさっきUSA天ぷら頼んだじゃん」

「うん。ポ村の山菜のね。あたしが今食べてる」

 

「よく天ぷらでご飯が食べられるよね」

「なんで?美味しいものと美味しいものを合わせたら、やっぱり美味しいじゃない。食がすすむじゃない」

 

「天丼はさ、あのタレがご飯すすむわけじゃん。ウナギだってさ、タレがあるからご飯がすむ。ウナギの白焼きはご飯すすまないじゃん?天ぷらも天つゆや塩で食べると、白米は合わなくない?」

「ええ?なんで?」

 

「天ぷらとお蕎麦の組み合わせは分かるんだよ。お蕎麦って、天ぷらなしで食べても美味しいしね。でも白米はなぁ。だからさ、USAって白米だけで食べられるタイプなんだと思う。どうせおでんとご飯もいける口でしょ?」

「うん、白いご飯好きよ。特に三すくみのご飯はちょっと硬めで、すっごく美味しい。天ぷらについてる大根おろしと、ご飯だけでも食べられる。おでんにももちろん合うと思ってるわよ?」

 

「アラ、有難うゴザイマス。嬉しいワァ」

話を聞いていたナメ江さんが、ニコニコとお礼を言っています。

 

「ナメちゃん、ほんとよ。三すくみのご飯が一番好き!」

「脂っこいものばっかり食べると太るよ。塩もつけすぎると血圧上がるよ。健康に良くないよ。USAはスリムだけが取柄なんだから」

「失礼ね。そんなことないわよ。スリムは嬉しいけど」

 

「ねー、USA。ランチが終わったらどこ行く?」

「…三すくみと同じく、健康的な食事ができるとこ」

「んぁ?まだ食べんの?」

続きます