マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

自己判断による服薬拒否 その2

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前回のお話

医療機関がすくないポ村。

ポ村の村長は、都会の薬局で働くイチイさんをポ村まで連れてきました。

 

イチイさんの勤める薬局は、患者さんから頼りにされる薬剤師が多いことで有名。おそらく教育がキチンとしているのでしょう。

 

そんな薬局で勤めるイチイさんを、薬剤師会の方から紹介してもらったという村長。ポ村は元々長寿な人が多くて有名ですが、村長はより村人の健康を守りたい。

教育が行き届いている薬局でエリアマネージャーをしているイチイさんに、ポ村の薬剤師に対し、ちょっと厳しめの指導をして欲しいと考えていたようです。

とりあえず今日は”村の様子を見てみたい”というイチイさんに、ポ村の案内をすることにしました。

 

”ポ村の村長、住民とコミュニケーションがしっかりととれているんだな。村民同士、コミュニケーションをとれていれば、患者にも信用されやすいだろうし俺からするとだいぶ羨ましいけど”

 

「そういえば、カゲっていうのはどんな存在なんですか?」

「カゲをご存じで?」

 

平和なポ村に、とれないシミのようにこびりつくカゲ。

村長も村人の健康を害する恐れのあるカゲの存在が、気になっています。

カゲが現れると、人によって食欲不振・睡眠障害などの症状が現れ、薬が必要な状態に陥る。

 

不安な思いが心をしめたり、全てのやる気が失われたりすることもある。 

孤独感、消失感等、心にマイナスな影響を与えると言われている存在。

都会に出稼ぎに行っている人が多く、若い男性が特に少ないポ村。

 

「悪しきもの」や「カゲ」が現れるポ村の様子を、こうして男性が見に来てくれると思うと安心感が得られます。

 

 

「数日前にもカゲが出たんですよ」

「へぇ、なんだか気味悪いし不謹慎かもですが、一回は見てみたい気もしますね」

「イチイさんだったら、動じないかもしれないですね」

『そんなに処方されているの?多くない?高齢者だったら普通かもしれないけどさ』

 

すれ違ったのは、最近現れたカゲの影響で、人を疑いやすくなっているポ村民。

 

『そう思う?他の人にも言われたの』

 

「イチイさん?」

「あ、はい」

 

村長と共に調剤薬局へ向かうイチイさん。

一方、すれ違った女性たち”小料理屋 三すくみ“に向かったようです。

 

「でもフェネ。結局その薬、飲むのやめてるんでしょう?」

「うん、なんか怖くなっちゃって」

 

「薬漬けの身体なんてたまらないじゃないの」

「そうだからちょっと、このお店の薬膳料理で健康になろうかなって」

 

「薬膳料理とかで栄養を摂取するのって、なんか安心するわよね」

「三すくみは美味しいし、ストレスなく食べられるのよ」

続きます