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「あたしね。毎日クリスマス当日が来る日を楽しみにしながら、シュトーレンを少しずつ食べてるの」
USAさんが言うシュトーレンは、日持ちするドイツのお菓子です。
「あれ、おいしい?」
「おいしいわよー。まぁ実はあたしもクリスマスケーキの方が好きだけど、シュトーレンはクリスマスを盛り上げるのに一役買ってくれてるの」
「ふーん」
「この時期はお店に行くのも楽しいわよね。クリスマス用のグッズがたくさん並んでてさ。どれも可愛くって全部欲しくなっちゃう。そんで買ったものを並べるのがまた楽しくって!街がクリスマスっぽくなるのって、昔より早くなったじゃない?だから長い間ウキウキ出来ちゃうのよね」
クリスマスが近づくと、USAさんは都会の方へよく散策に行くらしい。
クリスマスツリーやイルミネーションを見て、クリスマスの雰囲気を味わうのが楽しいみたいです。
「はぁー、早くクリスマス来ないかなぁ」
「きゃきゃっ♪」
数日後。
「最近なんだかだるいし、食欲も無いの」
お仕事終了後、いつも元気なUSAさんが少ししんどそうにしています。
「楽しみにしていた旅行の日とか、イベントの日とかに体調崩すのって一番自分にイライラしない?」
クリスマスが近いのに、体調を崩してしまった様子のUSAさん。
「食べてないけど」
「はぁ。なんでこんなにだるいんだろう。原因もよくわかんないのよね。夏はだるいとか食欲無いとかたまにあるけど…」
「ええとね。あたしがだるいって思うのはね。髪の毛をセットして外出した直後に、突風に吹かれて台無しになった時とか…あと雪がやんだ次の日に歩いていたら、電線や木から何度もアウターのフードの中に雪が落っこってきた時とかかな」
「確かにだるっ!ってそういうだるいじゃないのよ」
「じゃあ、アイツのせいかも」
「そっか!それよ、きっと。あたし繊細だから、5日たってもまだ心がしんどいのね」
「あ、でもその日、USA都会へ出かけてていなかったっけね」
「まゆちゃん…今分かっててあたしを罠に陥れたわね」
「USAさん、体調が悪いんですって?大丈夫ですか?」
「マメチュー先生は優しいなぁ」
「クリスマス前なのに…最近また急に寒くなりましたからね。早く良くなるといいのですが…」
仕事が終わって遊びに来ていた、ポ村の内科医くまじろ先生がUSAさんに問診。
「夏の暑さや冬の寒さは苦手?他に冷暖房とかも苦手だったりするのかい?」
「苦手っていうか、どっちかっていうと嫌いです。夏冬はイベントが楽しみなだけで、寒いのも暑いのも勘弁して欲しいです」
「USA寒いのにゃ?にゃこのこと、だっこする?」
「する!」
にゃこさんはマメチュー先生から離れて、トテトテと歩きながらUSAさんの所へ向かいました。
そしてやって来たにゃこさんをUSAさんは優しく抱き上げます。
まゆさんと一緒に遊びに来ていたにゃこさんも実は寒いので、こうして抱っこしてもらい温まっています。
ねこさんの祖先は暑い国出身。わこさんと違って肉球に滑り止めもないそうです。
「冬バテってやつですかね」
「マメチュー先生が言っていたように最近気温差もあったし、寒暖差疲労かもしれんね」
「寒暖差疲労?」
「あたしは、寒暖差アレルギー。急に寒くなると必ずくしゃみ出ちゃう」
「まゆちゃんの話はあとでね。寒暖差疲労ってどうなるんです?」
続きます