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前回のお話
毎日けっこうな仕事量をこなすミツバチたち。姉妹や赤ちゃんたちに囲まれ楽しいけれど、それなりに苦労もあるようです。そのため、一人で自由に過ごしてみたいと思ったミツバチは、こっそりおうちを抜け出すのですが、出先で悪しきものに出くわしてしまいます。
”おねえちゃん!ママ!怖いよ。どうしよう”
「!!」
チョロチョロ…
「てんまちゃん!?」
「ポ村の鳥居の結界が効きづらいから、悪しきものが多いんだから」
てんまちゃんはたまに悪しきもの退治のため、この辺をパトロールしているらしい。
助けてもらってばかりだな。
「ほら泣かないで。うんもう、重たいよ。ちょっとは自分で動いてください?赤ちゃんだなぁ、全く」
アタシたちは、いも虫の赤ちゃんを連れて、この間の蜜源まで移動。
「ああ、腕つかれた。貴女も大丈夫?」
「ありがとう、てんまちゃん」
「うん」
安全な場所に移動したからか、おおきな赤ちゃんは丸くなって寛いでいた。
「はぁ、眠くなっちゃった。寝てもいい?」
「え?」
てんまちゃん、こんなところで眠っちゃった。
じゃあ、あたしも。
「ねぇ、こんな曇りの日に、一人でどうしたの?」
「え?え、と」
「…あとで送ってあげるから一緒に帰ろうね」
「あ、でも」
「一緒に帰ろう」
「うん」
おねえちゃんには見つからなかったけど、てんまちゃんにはすぐ見つかっちゃった。でもね、ほんとは一人ぼっちで外に出てすぐ…おうちに帰りたくなってたんだ。早くみんなに会いたくなってた。一人の方が楽しいなんて、アタシにはやっぱり思えなかった。
よかった。
蝶々に生まれなくて。
アタシはアタシで良かった。
薬剤師をするかたわら、ミツバチを育てているてんまさん。養蜂家というほどの数のミツバチは育てていませんが、ご近所さんに蜂蜜を配れるくらいは育てているそうです。
そんなミツバチの皆さんが苦労して作って下さる、美味しい蜂蜜。自分の健康は、自分で管理する“セルフメディケーション”を行うには最適!栄養たっぷり・副作用の無いお薬のような食材です。蜂蜜の栄養を摂取するには、非加熱の純粋蜂蜜を購入しましょう。
・美肌、保湿効果
・疲労回復
・動脈硬化予防
・整腸作用
等々、蜂蜜には様々な効能があります。
特に有名なのが、殺菌・抗炎症作用。
消毒や、ヤケド、口内炎に効果があります。
のど飴にもハチミツ味は用いられ、ノドの痛みにもよく効きます。
注)
ママさんにはごく当たり前の情報ですが、一歳未満の赤んぼさんにはあげてはいけません。ボツリヌス菌に対応出来ず、乳児ボツリヌス症を発症してしまう可能性があるためです。症状が重篤な場合は、死亡例もあります。
**ミツバチ宅**
「ねぇ、きょうこっそり外出してたでしょ?」
「おねえちゃん!気付いてたの?」
「アタシも一人になってみたいなって、思ったことあるもの」
「じゃあ、ほかのおねえちゃんたちもかな?」
「多分ね。大人になる過程で誰もが通る道なのよ。きっと」
「そっか、そうなんだ」
「それにしてもあんた、帰って来るの早すぎじゃない?」
「やっぱり早い方だった?」
「うん」
「アタシ家族といるのが好きなんだね。だれよりも」
「ふふ、そうなのかもね」