マメチュー先生の調剤薬局

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ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

ミツバチの暮らし その3

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前回のお話

毎日けっこうな仕事量をこなすミツバチたち。姉妹や赤ちゃんたちに囲まれ楽しいけれど、それなりに苦労もあるようです。そのため、一人で自由に過ごしてみたいと思ったミツバチは、こっそりおうちを抜け出すのですが、出先で悪しきものに出くわしてしまいます。

 

”おねえちゃん!ママ!怖いよ。どうしよう”

 

「!!」

 

チョロチョロ…

 

「てんまちゃん!?」

 

「ポ村の鳥居の結界が効きづらいから、悪しきものが多いんだから」

 

てんまちゃんはたまに悪しきもの退治のため、この辺をパトロールしているらしい。

 

 

 

助けてもらってばかりだな。

 

「ほら泣かないで。うんもう、重たいよ。ちょっとは自分で動いてください?赤ちゃんだなぁ、全く」

 

アタシたちは、いも虫の赤ちゃんを連れて、この間の蜜源まで移動。

 

「ああ、腕つかれた。貴女も大丈夫?」

「ありがとう、てんまちゃん」

「うん」

 

安全な場所に移動したからか、おおきな赤ちゃんは丸くなって寛いでいた。

 

「はぁ、眠くなっちゃった。寝てもいい?」

「え?」

てんまちゃん、こんなところで眠っちゃった。

じゃあ、あたしも。

「ねぇ、こんな曇りの日に、一人でどうしたの?」

「え?え、と」

 

 

「…あとで送ってあげるから一緒に帰ろうね」

「あ、でも」

「一緒に帰ろう」

「うん」

 

おねえちゃんには見つからなかったけど、てんまちゃんにはすぐ見つかっちゃった。でもね、ほんとは一人ぼっちで外に出てすぐ…おうちに帰りたくなってたんだ。早くみんなに会いたくなってた。一人の方が楽しいなんて、アタシにはやっぱり思えなかった。

 

よかった。

蝶々に生まれなくて。

アタシはアタシで良かった。

 

 



薬剤師をするかたわら、ミツバチを育てているてんまさん。養蜂家というほどの数のミツバチは育てていませんが、ご近所さんに蜂蜜を配れるくらいは育てているそうです。

 

そんなミツバチの皆さんが苦労して作って下さる、美味しい蜂蜜。自分の健康は、自分で管理する“セルフメディケーション”を行うには最適!栄養たっぷり・副作用の無いお薬のような食材です。蜂蜜の栄養を摂取するには、非加熱の純粋蜂蜜を購入しましょう。

 

・美肌、保湿効果

・疲労回復

・動脈硬化予防

・整腸作用

等々、蜂蜜には様々な効能があります。

 

特に有名なのが、殺菌・抗炎症作用。

消毒や、ヤケド、口内炎に効果があります。

のど飴にもハチミツ味は用いられ、ノドの痛みにもよく効きます。

注)
ママさんにはごく当たり前の情報ですが、一歳未満の赤んぼさんにはあげてはいけません。ボツリヌス菌に対応出来ず、乳児ボツリヌス症を発症してしまう可能性があるためです。症状が重篤な場合は、死亡例もあります。

 

**ミツバチ宅**

「ねぇ、きょうこっそり外出してたでしょ?」
「おねえちゃん!気付いてたの?」


「アタシも一人になってみたいなって、思ったことあるもの」
「じゃあ、ほかのおねえちゃんたちもかな?」


「多分ね。大人になる過程で誰もが通る道なのよ。きっと」
「そっか、そうなんだ」


「それにしてもあんた、帰って来るの早すぎじゃない?」
「やっぱり早い方だった?」
「うん」


「アタシ家族といるのが好きなんだね。だれよりも」
「ふふ、そうなのかもね」