⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら
⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら
「ママ!おはよう」
「おはよう。今日もお仕事頑張ってね」
「はい!」
毎朝お仕事前に、ママにしっかり挨拶するのが、我が家の大切なルール。うちは家族が多いから、一日一回以上は必ずママに顔を見せることになっている。
ママはもちろん、他の家族も大好きだし、お仕事するのだって楽しい。生まれたばかりの赤ちゃんたちの為に、お花の蜜を集めるのはやりがいを感じてる。
けどね、ちょっと忙しいなって思うときもある。
アタシたちの勤務時間は一日6~8時間。
残念ながら休日はなし。
お姉さんになってまず、最初に行うのがお部屋のお掃除。そのあとは子育て、おうち作りや修復、そして花粉をつぶして蜜を運ぶ作業へと仕事内容は変化していく。
今はようやくお外に出て、お花の蜜から食料を調達してくるお仕事になった。
この人はアタシたちのビッグママより、もっと大きな人間のママ。いつも優しくお世話してくれる人。
「お仕事たいへんだね」
「うん、でも小さい時から、憧れていた蜜を運ぶお仕事だから頑張らなくちゃ」
そう、憧れてた。
お外を眺められる、お空を自由に羽ばたける自由なお仕事だと思っていたのに…
毎日とっても忙しい!さすがに日がな一日、ボーっとしている昆虫たちのような暮らしはいやだけど、アタシたちの仕事は思った以上に忙しかった。
やっぱり蝶々のように、自分の分だけ食料を確保すればいいだなんて、羨ましいって感じちゃう。
それに優雅で美しくて憧れる。
優雅とは無縁のアタシは、頑張ってお仕事しなくちゃ。
でも…
蜜がたくさんあるお花が見つからないな。いっぱい食べる赤ちゃんたちがおうちで待ってるから、早く花粉だんごを作らなくちゃなのに。
「てんまちゃん、ほんと?」
「うん、ほんと」
いつも蜜源を一緒に探してくれるてんまちゃん、ありがとう。
あーあ。今日も疲れた。
ふふ、赤ちゃんたち可愛い。大好きよ。
早く大きくなって、一緒にお仕事しようね。
いもうとやおねえちゃんたちと一緒にいるのは、楽しいし幸せ。
働くのは女子だけなのです。
だけど…
続きます