マメチュー先生の調剤薬局

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ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

猫と赤ちゃん その2

前回のお話

にゃこさんとどろちゃんは決闘直前、迷子の赤ちゃん“ココアちゃん”を発見しました。
突然大きな声で赤ちゃんに泣かれ、戸惑うにゃこさん。
「どうしたらいいのにゃあ」

一方静かに赤ちゃんを観察していたどろちゃんは、赤ちゃんが泣き疲れて眠ったことに気付きます。


赤ちゃんが眠ったのをしっかり確認したどろちゃんは、そぉっと人を呼びに行くことにしました。

「にゃ」

残されたにゃこさんは、心細くなりながらも赤ちゃんを見守りつつ、観察します。

その後、すぐに目覚めた赤ちゃんは、先ほどのことは忘れたのか、にこにこしながら手をパタパタさせたり、転がったり、せわしなく動き回っています。

「にゃにゃ?」

赤ちゃんならではの予測不能な動きや反応。


にゃこさんは思わず目で追ってしまいます。

「にゃっ、にゃにゃっ!」

一方赤ちゃんの方もにゃこさんに興味津々。

にゃこさんが首を左右にふりふりしながら見てくるので、赤ちゃんの方も何やらじっと見ています。

「赤ちゃん、なんで動くんにゃ。何してんにゃ?」

にゃこさん、動く赤ちゃんを見ていたら楽しくなって、思わずしっぽをふりふり。
赤ちゃんそのしっぽをじっと見る。

そして興味本位で、にゃこさんのしっぽつかむ。


「にゃにゃ?」
「きゃきゃきゃっ」
「にゃまぁ」
「きゃっきゃっ」
「なにするんにゃ!」

いやにゃわ

にゃこさんしっぽを乱暴にお触りされるのは嫌いです。
だけど楽しそうにしている赤ちゃん。


また大きな声出されたら困ります。
仕方なくされるがままに。


にゃこさん、口をへの字にして必死に我慢。


「にゃくくくく」

赤ちゃんを泣かせないために。

「きゃきゃきゃ」


”もういやにゃ。赤ちゃんいやにゃあ”

“いやにゃわあぁ”




「にゃぶ、にゃぶぶぶ」

おや、どろちゃんの声がします。

「どろちゃん!?戻ってきたにゃ」 
「あら、ココアったらこんなところに」
「ココアママもいるにゃ」


人探しに行っていたどろちゃん。

同じく迷子のココアちゃんを必死に探していた、ココアママをつれて来てくれたようです。

それは丁度にゃこさんが、ココアちゃんにしっぽを捕まえられていた時でした。



「ごめんなさいね。ねこさんたち」
「マーマー」
「もう、心配したじゃない。ホントびっくりしたわ」 
「ああ、ママ。来てくれてよかったにゃ」
「ありがとうね。そばにいてくれたのね」


ねこさんたちは、お礼としてココアママにちゅーるを頂く。


「にゃわ、ちゅーるにゃ」
「にゃぶぶ!」


これはめったに食べられない、どろちゃんにとっては、すっごく豪華なごちそうです。


普段ひとりで暮らしているどろちゃんの主な食材は、昆虫等なのです。

「にゃふふ」
「ぶぶ♪」

喜んでいるねこさんたち、不意に目があってしまいます。



休戦中のふたりは、顔を見合わせてからプンとそっぽを向き合います。


そして背中合わせでちゅーる食べる。

美味しいちゅーるを、大切に食べる。


にゃこさんもなんとなく、どろちゃんのようにゆっくりと大切に食べる。


「おいしいにゃ」
「にゃぶっ」

「おいしいにゃわ」
「ぶぶっ」


赤ちゃんを大事にするといいことがある。
今日はそう学んだねこさんたちでした。

「赤ちゃん、大好きにゃ」

ミルクの匂い…大好きにゃ。


この日はこのまま休戦にすることにした、ねこさんたちでした。