マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

ガールズセラピー その2

前回のお話

マメチュー先生が夕方までお出掛けしているため、忙しく働く薬局スタッフ。そんな中、USAさんはハーブティーを購入しに来た、糖尿病患者の方とお話し中のようです。そろそろ帰ろうとする患者さんに対し、USAさんはぼそりとつぶやく。

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「私は食べること大好きだから、食事制限されたりしたらほんとつらいだろうなぁ」

「ああ…でも気を付けた方がいいよ。病気になっちゃうから」

 

気持ちを分かってくれる彼女に、注意を促す患者さん。

 

「ですよね。こないだなんて”チートデイだー”なんて言って、ケーキとどら焼き、あとはチョコミントにポテトチップスまで食べちゃいました」

「分かる!それやるよね。甘いものとしょっぱいもの」

 

「甘利さんもします?」

「食事中にもするよ。焼肉食べて、チョコレート食べる。そうするとまた焼肉が食べたくなる」

「焼肉とチョコレート?」

 

「昨日うちは焼肉だったんだ。ついでにお酒も飲んじゃった」

「甘利さん。焼肉とチョコレートと…お酒ですか?」

 

「あ!」

 

うっかり普段の食生活を暴露してしまった患者の甘利さんは、バツが悪そうな顔をしています。

 

「いやね、薬を飲んで食事制限してってやってたら、毎日辛くてね。糖尿病って自覚症状もあまりないじゃない?そうは言っても悪化したら大変なのは分かってるから、ハーブティーでも飲もうかと」

 

甘利さんは身体に良くないものを摂取しても、身体にいいものを取り入れれば相殺されると思ったようです。

 

「そうだったんですね。毎日食事制限なんてお辛いですよね。」

「でしょ?そうでしょ」

 

「でもやっぱりこのままでは、甘利さんのお体が心配なので、つらい食事制限に関してどうしたらいいのか他のスタッフも交えて一緒に考えましょう。ね?」

「うん、そうだね。そうするよ。ありがとう」

USAさんは患者さんとおしゃべりしていて、甘利さんがうまく食事制限をできていないことを聞き出したようです。

 

 

てんまさんの元には若い女性が、便秘薬を購入しに来ていました。

「若松さん、どこかに腕、ぶつけたんですか?」

「はい。そうなんです。なんか最近、青あざが多くなってしまって」

 

「若松さんは色白ですから、目立ってしまいますね」

「そ、そうですか?目立ちます?」

 

元々、筋肉量が少ない女性はあざができやすいのですが、てんまさんはこのあざが気になったようです。

 

「うちの女性スタッフにもせっかちな者がいて、よく机に足をぶつけてあざを作っているんですよ」

「そうなんですか?」

む?

「最短距離を行こうとすると、コーナーを曲がる時ギリギリを行き過ぎて、つい机の角にぶつかってしまうんですって」

「ふふふ、面白い方ですね」

むむ?

「若松さん、ほっそりしましたね」

「ええ、ちょっとだけ。でもまだまだお腹のあたりが気になっていて」

「おそらくダイエットにより、毛細血管がもろくなってしまったため、ちょっとした刺激であざが出来てしまうんだと思われます」

「え?ダイエットであざができやすくなるんですか?」

 

「はい、そういう場合もあります」

「いやだな。あちこちあざがあるなんて、格好悪いですよね」

ほっとけ