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子どものころ”白線から落ちたらワニに食べられるごっこ”なる遊びをやったことがある、なんて人もいるかと思います。
ポ村に住む子どもさんのトビーくんもそれと似たような遊びを、ポ村の出入り口にある鳥居の前で行っています。
「ほらほら。トビーくんはここだよ」
トビーくんがからかっているのは、ポ村の外をウロつくワニ、ではなく”悪しきもの”
鳥居から出たらワニ(悪しきもの)に喰われるごっこ、ポ村バージョンのお遊びをしているようです。
腐ったものから発生した悪しきものは、良質な土壌を腐らせ、悪臭漂う泥団子を投げてきます。
なので”白線落下後、ワニに捕食されるごっこ”と違って、下手をすると実際に泥団子を投げられてしまいます。
しかし、ほとんどの悪しきものは、鳥居が結界となり村には容易に侵入できません。
だからトビーくんが遊んでいるのは、あくまで鳥居の中にある安全なポ村内です。
さらに周囲に配置されているお地蔵様にも魔よけのパワーがあり、悪しきものなどの邪悪な者を追い払う役割を担っています。
そのため、ポ村の中にいれば、基本は安全なのです。
とはいえ…
「トビーさん、そんなところにいたら危ないですよ。悪しきものは稀に鳥居の中に入ってくる者もいるんですから」」
「マメ?」
長く生きた悪しきものは邪悪な力が増すためか、鳥居の結界を破ってポ村内に侵入してくることもあるのです。
「だいじょぶだよ、マメ。だってこいつら生まれたての弱い悪しきものだもん。絶対入れないよ。だからもうちょっとだけ遊ぶ」
悪しきものたちは野生のモノ同様、主にひ弱そうな女、子どもを狙います。
なのでトビーくんの場合は、決して大丈夫なことはありません。
「だめですよ。これから一緒に鉱物を取りにいくのでしょう?」
「あ!そうだった。一緒に取り行くー」
女性や子どもさんが多いポ村、安心して暮らせるようにマメチュー先生、しっかり守ります。
本日のマメチュー先生たちの目的地。
今日はみんなでポ村の鉱物を採取しにきました。
石膏などと同様、ポ村の鉱物からもお薬が作られます。
このポ村の鉱物は特殊で、加工の仕方で薬だけではなくライトの代わりにもなるそうです。
蛍光鉱物や、キラキラ光る宝石とはちがう、辺りを暖かなオレンジ色で照らす鉱物。
実はUSAさんからもお部屋のインテリアとして飾るため、鉱物を採取してきて欲しいと頼まれていたのです。
この鉱物を採取するのは大変なので、ポ村一の大男ヤマオにも手伝って貰っています。
「お願いします」
一部の鉱物は薬局で薬として使用するため、ライトに加工せずそのまま大切に持って帰ります。
マメチュー先生の薬局では薬局製造販売医薬品(薬剤師が直接製造・販売できる医薬品)を販売する許可を得ているため、薬局オリジナルの医薬品も作っているのです。
なのでみんなでたくさん採取しましょう。
続きます