マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

負の感情の化け物 その1

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子どものころ”白線から落ちたらワニに食べられるごっこ”なる遊びをやったことがある、なんて人もいるかと思います。

 

ポ村に住む子どもさんのトビーくんもそれと似たような遊びを、ポ村の出入り口にある鳥居の前で行っています。

邪悪なものからポ村を守ってくれるお地蔵さまと鳥居

「ほらほら。トビーくんはここだよ」

トビーくんがからかっているのは、ポ村の外をウロつくワニ、ではなく”悪しきもの”

小さきモノ?

鳥居から出たらワニ(悪しきもの)に喰われるごっこ、ポ村バージョンのお遊びをしているようです。

 

腐ったものから発生した悪しきものは、良質な土壌を腐らせ、悪臭漂う泥団子を投げてきます。

なので”白線落下後、ワニに捕食されるごっこ”と違って、下手をすると実際に泥団子を投げられてしまいます。

 

しかし、ほとんどの悪しきものは、鳥居が結界となり村には容易に侵入できません。

だからトビーくんが遊んでいるのは、あくまで鳥居の中にある安全なポ村内です。

さらに周囲に配置されているお地蔵様にも魔よけのパワーがあり、悪しきものなどの邪悪な者を追い払う役割を担っています。

そのため、ポ村の中にいれば、基本は安全なのです。

とはいえ…

 

 

「トビーさん、そんなところにいたら危ないですよ。悪しきものは稀に鳥居の中に入ってくる者もいるんですから」」

「マメ?」

 

 

長く生きた悪しきものは邪悪な力が増すためか、鳥居の結界を破ってポ村内に侵入してくることもあるのです。

 

「だいじょぶだよ、マメ。だってこいつら生まれたての弱い悪しきものだもん。絶対入れないよ。だからもうちょっとだけ遊ぶ」

 

悪しきものたちは野生のモノ同様、主にひ弱そうな女、子どもを狙います。

なのでトビーくんの場合は、決して大丈夫なことはありません。

 

「だめですよ。これから一緒に鉱物を取りにいくのでしょう?」

「あ!そうだった。一緒に取り行くー」

待て、生意気な小さきモノ

悪きもの退散

 

女性や子どもさんが多いポ村、安心して暮らせるようにマメチュー先生、しっかり守ります。



 

本日のマメチュー先生たちの目的地。

今日はみんなでポ村の鉱物を採取しにきました。

石膏などと同様、ポ村の鉱物からもお薬が作られます。

 

このポ村の鉱物は特殊で、加工の仕方で薬だけではなくライトの代わりにもなるそうです。

蛍光鉱物や、キラキラ光る宝石とはちがう、辺りを暖かなオレンジ色で照らす鉱物。

 

実はUSAさんからもお部屋のインテリアとして飾るため、鉱物を採取してきて欲しいと頼まれていたのです。

この鉱物を採取するのは大変なので、ポ村一の大男ヤマオにも手伝って貰っています。

石職人

「お願いします」

一部の鉱物は薬局で薬として使用するため、ライトに加工せずそのまま大切に持って帰ります。

 

マメチュー先生の薬局では薬局製造販売医薬品(薬剤師が直接製造・販売できる医薬品)を販売する許可を得ているため、薬局オリジナルの医薬品も作っているのです。

 

なのでみんなでたくさん採取しましょう。

続きます