マメチュー先生の調剤薬局

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ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

ポ村のセラピーキャット、にゃこさん ① その2

前回のお話

ねこ好きだけど、ペット不可物件に住むあたし。

今日はポ村のセラピーキャット、にゃこちゃんに癒してもらいに来た。

なのに癒される所か、にゃこちゃんに振り回されてしまっている…


「待って、待って!どこ行くの?」

運動不足のあたしは既に息が切れている。

置いてかれる


仲良くなる前に、癒される前に、めっちゃこの子に連れまわされてる。

村役場

契約終了の時間が近づいたので、あたしはにゃこちゃんとヨロヨロしながら村役場にもどった。


役場では村長が、にこにこと出迎えてくれた。



「え、ああ。こちらこそありがとうございました」

あたしは、少し上の空でそう答える。

「また、よろしくお願いしますね。にゃこさん、いい子にしてましたか?」

「にゃし!」

あたしと違ってにゃこちゃんは、元気に村長に受け答えをしていた。

”癒し、癒しは?“


あ。
そういえば忠告受けていたんだった。

”研修生のにゃこさんには、ポ村を自由に引っ張り回されることがあります”と。


要するにセラピーっぽい事は特になく、一日一緒に触れ合えるというサービスだったのね。


しかも途中で存在を忘れ去られそうになったし。

「あ」

待って、置いてかないで

これでお別れ?

にゃこちゃんはお別れの挨拶もなく、どこかへ行ってしまった。

……


あたしはそのあとひとり、とぼとぼと歩きながら自宅に向かっていた。

ああ…今日はねこカフェと違ってすっごく疲れた。

すっごく疲れたけど、一日ねこと一緒にいられた。


考えてみればこれって初めてだ。

大満足だ!


あー、癒されたなぁ。


ん?癒された?

いや、そこはちょっと違うな。
癒されてはないな。
っていうか、なんか悔しかった。


もっと一緒にいたかったし、何よりあの子に懐いてもらいたかった。
振り回された上、途中存在忘れられた。


それなのににゃこちゃんの、可愛い笑顔を思い出してしまう。



そして、また会いたいと思ってしまう。


どうしたら私を見てくれた?
どうしたら懐いてくれるんだろう。

誰にでも振りまく笑顔じゃなくて”あたし“に向けた笑顔、それが欲しい。

まんまん満足

ねこと言えばご飯。
だけど貢物は禁止されているから…

ん?
なんだかこれって、ホスト通いしているみたいじゃん。


そんなことを考える。

ううん。
今は考える前に、すぐ次の予約入れなくっちゃ。