地域に貢献するため、マメチュー先生は学校薬剤師として、ポ村にある小さな小学校に出向く事があります。
「あー、マメだぁ」
「マメ先生だ!」
「みなさん、こんにちは」
本日は子ども向けではなく、保健委員会(先生とPTA)に向けた説明会。
「遊んでくれないの?」
「なんだぁ」
「また今度遊んでくださいね」
「今日は薬物乱用防止についてのお話です」
「よろしくお願いします」
薬物乱用防止についての説明は、警察の方が行うこともあります。
ただ覚せい剤や大麻、危険ドラッグなど薬物の乱用を根絶させるため、いかに危険かを伝えるのは薬剤師の仕事でもあるのです。
子どもたちを危険な薬物から守るために、親御さんや先生にも薬物乱用についての危険性を解説し、理解をして貰う必要があります。
危険な薬物に関するお話の後は、正しくお薬を使用して貰うための説明もします。
薬を安全かつ有効に使用して頂くための、大事なお話です。
「マメチュー先生、今日もお勉強になりました。
ありがとうございました。
ところで質問してもよろしいですか?」
「はい、もちろんです」
「このあいだ、父が風邪を引きまして…」
診断の結果、ただの風邪だったそうです。
2022年現在、世間では新型コロナウイルスの対策をしっかりしているので、他の風邪・インフルエンザの罹患者は少ない。
それでも風邪のウイルスは存在しています。
これは質問をされた保護者の方の、風邪についてのエピソード。
「お父さん、風邪だったんですって?
ただの風邪ならゆっくり体を休めて…」
「それだけでは早く治らん」
「えっ?」
「わしゃのう、風邪を引いたら抗生物質を飲むって決めておるんじゃ。
風邪には抗生物質なんじゃ」
「抗生物質?風邪に?」
「そうじゃ、風邪には抗生物質じゃ。
ぶりの照り焼きにはおろしポン酢、目玉焼きには醤油、そしてパンケーキには蜂蜜なんじゃ!」
今でも風邪を引くと、このように抗生物質を求める患者さんが一定数います。
どうやら抗生物質を、エリクサーのような万能薬だと思っているようです。
【風邪を引いた時の体内】
“ウイルスが侵入してきたぞー”
“なんだって??”
“抗生物質で対抗しよう!”
“そうだな、風邪には抗生物質だ”
“ウイルスの奴らを捕まえて、消滅させてやる”
“アナタ達、ダアレ?”
“アタシ達ハ、風邪ノウイスルヨ”
“フウン、抗生物質ッテ言ウノネ”
“一緒ニ遊ビマショ”
“誰が遊ぶか!とっ捕まえてやる”
“キャハハ。障害物競争ネ”
“おい、待て!”
結果、抗生物質はウイルスを捕まえられず、遊ばれてしまいました。
次回へ続く