マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

夏のお野菜 その5

前回のお話
三すくみでお料理の提供を待っていたケイヒさん、マメチュー先生。そしてパカじいさん。
するとなぜか、ナメ江さんの金切り声が聞こえてきました。
「キャー!」

「ナメ江さん、大丈夫か?」


昭和の男気をみせるパカじい、いち早く駆け付けます。

ナメ江さんが促す方向を見ると、なんとピーマンの肉詰めになるはずのものに、泥が詰められていました。

悪しきものグルメ

どうやらポ村の外から侵入したらしき、悪しきものがいたずらをしているようです。


「イヤァ」
「うわ、悪しきものだ。気持ち悪っ」
「なんじゃ、お前は。男のくせに情けない」

収穫中は勢いが良かったケイヒさんですが、仕事中ではない今は、その勢いがどこかへ行ってしまったようです。

大事な大事なお野菜収穫中は、強気だったケイヒさん

「うわ、こっち来る」

ケイヒさんは腰を抜かさんばかりの様子。

「待ってくださいね。御神木の湧き水を」
www.mamechu.com
※村長、湧き水で悪しきものを追い払うの回

マメチュー先生は、普段から持ち歩いている湧き水を慌てて用意。

悪しきものは、御神木の湧き水をかけると消え去ってしまう性質があります。


落ち着けば対処できるはずなのですが、突然現れた悪しきものに三すくみのみなさんも大パニック。

あわあわしながら右往左往しています。

“ガシャーンッ”

パニックの中、湧き水が入った瓶が何かの拍子に割れてしまいました。

湧き水はあっという間に、地面にしみこんでいく。

「わぁ」
「モウ、駄目ダワー」

パカじいさん必殺技・唾攻撃

みんながパニックしている中、あっという間に、悪しきものを始末したパカじい。

「かっこよ」
「さぁ飯じゃよ。さすがにつまみばっかりでは腹減るわ」


「腹減ります?この状況で」
「お前も若いんじゃから、たくさん食え。体力つけんといかんぞ」

現在お腹が減っているんだか、減っていないんだか分からない状態のケイヒさん。


甘い梅酒をすすめられ、少し心が落ち着きます。


しばらくしてフロ次さんと、スネ文さんが作った料理が運ばれてきました。
自分が作ったお野菜が、彼らに手を加えて貰ったお陰で、美味しそうな料理に変身。


「お前も早く食え。うまいぞ。全部食べちまうぞ」

パカじいさんが、相変わらず昭和らしいことを言っています。


自分が作った野菜を、みんながおいしそうに食べている。


「美味しいですね」
「ピーマンのみそ炒めは酒に合う」


そんな様子をしばらく黙って見ていると…


ようやくケイヒさんもお腹が減ってきたみたいです。