前回のお話
三すくみでお料理の提供を待っていたケイヒさん、マメチュー先生。そしてパカじいさん。
するとなぜか、ナメ江さんの金切り声が聞こえてきました。
「キャー!」
「ナメ江さん、大丈夫か?」
昭和の男気をみせるパカじい、いち早く駆け付けます。
ナメ江さんが促す方向を見ると、なんとピーマンの肉詰めになるはずのものに、泥が詰められていました。

どうやらポ村の外から侵入したらしき、悪しきものがいたずらをしているようです。
「イヤァ」
「うわ、悪しきものだ。気持ち悪っ」
「なんじゃ、お前は。男のくせに情けない」
収穫中は勢いが良かったケイヒさんですが、仕事中ではない今は、その勢いがどこかへ行ってしまったようです。

「うわ、こっち来る」
ケイヒさんは腰を抜かさんばかりの様子。
「待ってくださいね。御神木の湧き水を」
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※村長、湧き水で悪しきものを追い払うの回
マメチュー先生は、普段から持ち歩いている湧き水を慌てて用意。
悪しきものは、御神木の湧き水をかけると消え去ってしまう性質があります。
落ち着けば対処できるはずなのですが、突然現れた悪しきものに三すくみのみなさんも大パニック。
あわあわしながら右往左往しています。
“ガシャーンッ”
パニックの中、湧き水が入った瓶が何かの拍子に割れてしまいました。
湧き水はあっという間に、地面にしみこんでいく。
「わぁ」
「モウ、駄目ダワー」
みんながパニックしている中、あっという間に、悪しきものを始末したパカじい。
「かっこよ」
「さぁ飯じゃよ。さすがにつまみばっかりでは腹減るわ」
「腹減ります?この状況で」
「お前も若いんじゃから、たくさん食え。体力つけんといかんぞ」
現在お腹が減っているんだか、減っていないんだか分からない状態のケイヒさん。
甘い梅酒をすすめられ、少し心が落ち着きます。
しばらくしてフロ次さんと、スネ文さんが作った料理が運ばれてきました。
自分が作ったお野菜が、彼らに手を加えて貰ったお陰で、美味しそうな料理に変身。
「お前も早く食え。うまいぞ。全部食べちまうぞ」
パカじいさんが、相変わらず昭和らしいことを言っています。
自分が作った野菜を、みんながおいしそうに食べている。
「美味しいですね」
「ピーマンのみそ炒めは酒に合う」
そんな様子をしばらく黙って見ていると…
ようやくケイヒさんもお腹が減ってきたみたいです。