前回のお話
ビビりで悩む小学六年生のヨモギくん。
ポ村小で開催される肝試しが嫌でたまらない。
でも女子に馬鹿にされたくないため、まずは高所恐怖症の克服にチャレンジ。
マメチュー先生の薬局の丘すらも怖い彼は、丘にあるベンチで少しずつ高い所に慣れようとしています。
ヨモギさん、チラ見。 |´-`)チラッ |ω・`)チラチラ| д゜)チラリ| ‾᷄⌂‾᷅)チラ-| ー̀ωー́ )目瞑リッ
人通りの多い都会とかで、こんな風にチラチラしてたら変質者。
とりあえず、マメチュー先生がくれたレモン水を飲んで、気分を落ち着ける。
ちょっとずつちょっとずつ、周囲をチラ見する回数を増やしていく。
ヨモギさん、ガン見 |• •๑)ジー
すると自分の中で、緊張や冷や汗が徐々になくなっていくのを実感できる。
「ヨモギだっ!」
「ん?」
「マメと遊ぶの?」
薬局に現れたのは以前ここでよく会っていたガラゴさんではなく、1年生のトビーくんだった。
「高い所に慣れるれんしゅう?」
「そう」
「なんでれんしゅう?高い所たのしいよ。僕高い所すきー」
「好きな子いるよね」
「ほら見て!僕ジャンプ得意なんだ」
「すごいねー」
トビーくんは本当に楽しそうに高くジャンプしていた。
「いやちょっと、もう大丈夫。トビーくんがすごいのは分かった。見ているだけでこわいよ」
「そっか!ヨモギは怖がりだから高い所いやなんだ。楽しいのに!」
「おぉ。どっかからねこさん、あらわれた」
「にゃこだー」
「にゃきゃー」
「ふたりで木登り競争してる。かわいいなぁ」
「ヨモギー。楽しいよー」
「にゃきゃきゃきゃきゃ」
「うんうん。でも危ないからほどほどにしよう。」
「わかったー。…あ!」
木の上から誰かを見つけたらしい、トビーくん。
”小料理屋の女将さんだ。あと…誰だろう”
「ビビりがあつまったぞ!よし!みんなで特訓しよう!」
「ん?何だよ、急に」
突然現れたトビーくんの提案に対して、ナメ江さんともう一人の男性はぽかんとしていたけれど、優しいのか付き合ってくれるみたいだった。
「このおにいちゃん、ヨモギっていうの。同じ学校の六年生」
「あ、こんにちは」
「コンニチハ。タマニ、オ店ニ来テクレルワヨネ」
「ヨモギっ、こっちはケイヒ。ケイちゃんだよ」
「どうも。トビーと遊んでくれてんのか。神だな」
「なにさ!」
よく知らない男性はケイヒさんと言うらしく、優し気な笑顔を向けてくれた。
女将のナメ江さんも嬉しそうにしている。
「ケイヒさんハ、人見知リナノニ、子供ハ、好キナノネェ」
「怖いもの克服?どうでもいいけど、悪しき者にはむやみに関わっちゃいけないんだぞ」
ケイヒさんは子どもたちに、悪しきもの(ポ村に巣食う化け物)と関わって欲しくないみたいだった。
「怖いもの克服するならさ、もっと遊びながらやろうぜ。ヨモギくんは何が怖いの?」
「ええと高所とか、ホラー系、虫も苦手で…」
「じゃあ次の特訓は…」
続きます