マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

怖がり屋さん その4

前回のお話

ビビりで悩む小学六年生のヨモギくん。
ポ村小で開催される肝試しが嫌でたまらない。
でも女子に馬鹿にされたくないため、まずは高所恐怖症の克服にチャレンジ。
マメチュー先生の薬局の丘すらも怖い彼は、丘にあるベンチで少しずつ高い所に慣れようとしています。

やっぱりちょっと周りが見れない

ヨモギさん、チラ見。 |´-`)チラッ |ω・`)チラチラ| д゜)チラリ| ‾᷄⌂‾᷅)チラ-| ー̀ωー́ )目瞑リッ

人通りの多い都会とかで、こんな風にチラチラしてたら変質者。
とりあえず、マメチュー先生がくれたレモン水を飲んで、気分を落ち着ける。


ちょっとずつちょっとずつ、周囲をチラ見する回数を増やしていく。

ヨモギさん、ガン見 |• •๑)ジー

すると自分の中で、緊張や冷や汗が徐々になくなっていくのを実感できる。


「ヨモギだっ!」
「ん?」

「マメと遊ぶの?」

薬局に現れたのは以前ここでよく会っていたガラゴさんではなく、1年生のトビーくんだった。


「高い所に慣れるれんしゅう?」
「そう」
「なんでれんしゅう?高い所たのしいよ。僕高い所すきー」
「好きな子いるよね」
「ほら見て!僕ジャンプ得意なんだ」
「すごいねー」

トビーくんは本当に楽しそうに高くジャンプしていた。

「いやちょっと、もう大丈夫。トビーくんがすごいのは分かった。見ているだけでこわいよ」
「そっか!ヨモギは怖がりだから高い所いやなんだ。楽しいのに!」

突然…

「おぉ。どっかからねこさん、あらわれた」
「にゃこだー」
「にゃきゃー」
「ふたりで木登り競争してる。かわいいなぁ」
「ヨモギー。楽しいよー」
「にゃきゃきゃきゃきゃ」
「うんうん。でも危ないからほどほどにしよう。」
「わかったー。…あ!」

木の上から誰かを見つけたらしい、トビーくん。

”小料理屋の女将さんだ。あと…誰だろう”

「ビビりがあつまったぞ!よし!みんなで特訓しよう!」
「ん?何だよ、急に」

突然現れたトビーくんの提案に対して、ナメ江さんともう一人の男性はぽかんとしていたけれど、優しいのか付き合ってくれるみたいだった。


「このおにいちゃん、ヨモギっていうの。同じ学校の六年生」
「あ、こんにちは」
「コンニチハ。タマニ、オ店ニ来テクレルワヨネ」
「ヨモギっ、こっちはケイヒ。ケイちゃんだよ」
「どうも。トビーと遊んでくれてんのか。神だな」
「なにさ!」

よく知らない男性はケイヒさんと言うらしく、優し気な笑顔を向けてくれた。


女将のナメ江さんも嬉しそうにしている。

「ケイヒさんハ、人見知リナノニ、子供ハ、好キナノネェ」

「怖いもの克服?どうでもいいけど、悪しき者にはむやみに関わっちゃいけないんだぞ」

ケイヒさんは子どもたちに、悪しきもの(ポ村に巣食う化け物)と関わって欲しくないみたいだった。


「怖いもの克服するならさ、もっと遊びながらやろうぜ。ヨモギくんは何が怖いの?」
「ええと高所とか、ホラー系、虫も苦手で…」
「じゃあ次の特訓は…」

続きます