マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

私ハ注目サレテイル

「気ニナル…」


買い物を終え、帰宅中のナメ江さん。


「気ニナルワ~。

嫌ダワ~」


ナメ江さんは、何を気にしているのでしょう。


気にしていることがあるせいか、いつもより急いでいる様子。


「モウッ。

分カッテテモ、弄ッチャウノヨネ~」

 
先程からナメ江さんが気にしていること。

それは…



「唇ガ乾燥シチャッテ、カピカピ」


乾燥している唇を、弄っては駄目だろうことは分かっているようですが、つい触角で弄り倒してしまう。

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唇はナメ江さんのチャームポイントです。


唯一のチャームポイント。



唇がカサカサしている所を“小料理屋三すくみ”の常連さんには見られたくない…



ナメ江さんはポ村一を競うくらいの、気にしいなのです。


“ヒソヒソヒソ…あの人…
ヒソヒソ…クチビル…”
 

ヒタヒタと地を這うように自分の唇に関しての噂が、ポ村中に広まっていってしまうんじゃないかという妄想が頭をよぎる。


「嫌ッ!
早ク帰ッテ、リップ塗リ直サナクチャ」



人の目というのは、多かれ少なかれ、誰でも気になるものです。




外見でいえば男女問わず、ヘアスタイルに関して気にしてしまう人が多いようです。


「前髪切りすぎちゃった」


こちらとしては言われなければ気が付かないレベルなのですが、本人にとっては大問題。


「誰も気にしていないと思うよ」

そう言ったところでその言葉が伝わる事は無く、一日中手で前髪を隠している人…



「そんな事をしたら、逆にアピールになっちゃうと思うけど…?」

そんな言葉も残念ながら、やはり伝わりません。





くせっ毛気味だという、マメ先生の知人の妹ポいも。



ヘアピンで止めていないと、サイドの髪の毛が跳ね上がるという特性を持ちます。



通常以上にみすぼらしくなるのでサイドの髪の毛を、必ずヘアピンで止めている。


必ず…



それなのに職場で鏡を見たとき。


「あれ?何これ?
みすぼらしいなぁ。
何だろうなぁ」


やばっ!


ヘアピンをしてくるのを、忘れてしまっています。



どうしましょう…



毛先を遊ばせる…
その範囲を大きく越えて、毛先がふざけています。



職場でそんなのはよくない。



ポいもはちゃんと、頭を使います。

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この程度ならアピールしなければ、絶対に気付かれません。


安心してクリップで一日過ごしました。





話がそれましたが、帰宅途中のナメ江さんはというと…

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にゃこさん、座る。



「ナメ江さん申し訳ありません。

にゃこさん、ご迷惑ですから」



マメチュー先生とお散歩をしていたにゃこさんに、見つかってしまったナメ江さん。



マメチュー先生はナメ江さんの背中に乗るにゃこさんを、一生懸命おろそうとしています。


「嫌にゃ。

ここにいるんにゃ」


にゃこさんにとってナメ江さんの背中は、ヒンヤリとしていて気持ちがいいみたいです。

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“唇を見られたくない。だから早く帰りたい”


そんな事を思えば思うほど、なぜだか上手くいかないものです。



更にこのあとナメ江さんには“小料理屋三すくみ”の開店準備があるのです。




早く帰らねば、ならぬのです。



「にゃこさん、そろそろ行きましょう」



「嫌にゃあ」




ここで乾燥している、唇に関してのお話を少し…


気になってしまう乾燥した唇。


鏡を見るたびにカラカラに干からびた唇を思い出し、すっごく弄りたくなる。


しかしもちろん弄くるのはNGです。


就寝中も乾燥するのでそれを防ぐするため、就寝前にもリップクリームを塗ってケアしましょう。





「ね、ほらにゃこさん。
行きましょう!」



「嫌にゃったら」


ねこさんはお気に入りの場所から、無理やり移動させられるのを嫌がります。



とは言えこのままではいられないので、マメチュー先生に話しかけられているにゃこさんの、隙をついたナメ江さん。

ヌメリを利用し、スルリと抜け出しました。



開店時間ギリギリ。


準備を手伝うため大慌てです。


お客様を迎えるため、あれをやってこれもやって…



これはにゃこさんのおかげでしょうか?


忙しさに追われ、ナメ江さんは唇のことをすっかり忘れることが出来ました。



荒れている唇を弄くらなければ、治りは早くなりますからね。