ぽんちゃんのおでこから、おじさんの整髪料の匂いがする。
原因は父。
なで回しすぎです。
ねこが繋いだ家族の絆
初めて一緒に暮らすことになったねこさんは、ぽんちゃんという、それはそれは可愛いねこさんでした。高校生だったポあねが学校で保護し、一目見て心惹かれ、家に連れて帰ってきたのがぽんちゃんとの出会いです。
動物好きのうちの父も、さぞ嬉しかったことでしょう。
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当時の我が家は、ポ姉妹が思春期真っ盛りで、ちょっぴりギクシャクしていました。でも、ぽんちゃんが来てくれたおかげで、家族の会話が自然と増えたように思います。
そんなぽんちゃんを主に育てていたのは、引き取ることにしたポあねですが、なにしろ初めてのねこさん。
しかもへその緒が付いたままの生まれたての子。
無事育ってくれるかも分からない中、犬猫さんと暮らしたことのある父が協力し、一緒に育てていました。というか父は嬉しそうに協力していました。
父という立場上、反抗期中の娘に毛嫌いされがちでしたが、ぽんちゃんのおかげで、ポあねとのやりとりが激増。
一緒におしりぽんぽんして、おしっこを出させてあげたりね。
母もねこ嫌いではあったものの、ぽんちゃんにはご飯をあげたり、病院に連れて行ったりと色々協力していました。
”ねこの赤ちゃんが可愛い”というのもあったのでしょうが、プラス父と同じくぽんちゃんを口実にポあねとのやりとりが自然と増えるから、なんて理由もあったのかもしれません。
ポあねは反抗期に加え、大学受験も控えていたので、当時はかなりピリピリしたムード。母も普段はむやみに話しかけないようにしていたのだと思います。
そんな中ポいもはですね。
初めてのねこさんに人見知りをし、赤ちゃんねこの接し方もわからず、最初は戸惑ったりもしたのですが。

おかげさまで、ぽんちゃんは甘えっこで抱っこが大好きな子に育ちました。
「可愛いねー」
「にゃ」

ポいもはポあねと違い、ぽんちゃんを介し周囲とコミュニケーションをとる、みたいなこともなく…
癒してくれてかつ、愛らしいぽんちゃんとばっかり仲良くしていました。
「ぽんちゃん、ほんとに可愛いねー」
「にゃふ!」
「なによ。あんたは相変わらず、あたしたちにはかまってくれないのね」
母からの謎の怒り…
さて、大したお世話をしていないポいもに懐いてくれたぽんちゃんですが、お世話をしていた動物大好きおじさんの父に対しては。。。
「いい子いい子だけならしてもいいにゃよ。でも抱っこは禁止にゃ」

いい子はしても良し。おもちゃで遊んでも良し。ご飯をくれるのはなお良し!お腹としっぽのお触りは禁止。抱っこも禁止。寝ている時のちょっかいも禁止。
お世話をしていた動物好きおじさんの父が、かわいそう。
もちろんぽんちゃんが大人になってからも、それは変わらず。
「おとうやんは、いい子いい子だけ。分かっているにゃね?」
「はい、ぽんちゃん。承知しております」
でも、ジジイ同士で抱っこ…

想像するとまぁ、ね…
そんなぽんちゃんが、父とコミュニケーションをとってきた後は、すぐに分かります。
「あっ、今おとうと戯れてきたね?」
「いいこいいこして、もらったにゃよ。けど、なんで分かるのにゃ?」

すぐには拭い去れない、父の匂い。
「生霊?」
ぽんちゃんのおでこからは、父の整髪料の匂いがぷんぷん。ぽんちゃんはおじさん臭に、気付いていないのかな。
同類だから。
父のぽんちゃんに対する執着、独占欲すら感じてしまうのは気のせいでしょうか。
続きます

✍️ 書いている人
ポ姉妹
・ポあね(薬剤師/漢方専門薬局勤務)
・ポいも(語り手/物語で届ける担当)