マメチュー先生の調剤薬局

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ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

自転車の青切符が怖い。歩行者という名の『最強の弱者』から見た2026年の道路

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先日、通勤路の「いつもの角」に、妙な空気が漂っていました。 制服を着た警察官が、手持ち無沙汰そうに、でも獲物を狙うサギのようにじっと立っています。

(あぁ、そっか始まったんだっけ?)

2026年4月。
自転車にも「青切符」が導入され、私たちの街の交通ルールは、急に難易度が跳ね上がりました。
16歳になった瞬間、道路上では「うっかり」が許されない大人としてカウントされるらしい。


ほっ。
自転車持ってなくてよかったぁ。
免許のない私は交通ルールが、あんまり分かっていない。

大人なのに。

こうなったら青切符、絶対切られるだろうから、もう一生自転車乗らない!公道を免許無しで走れる、未来の乗り物のようなLUUPも、近所にあるから、一度くらいは乗ってみたいけれど……我慢!

絶対、青切符の刑に遭う!分かってんだから。


そんな一生歩行者の私は、公園沿いの住宅街にある、ガードレールにぎゅっと押し込められた「人一人分」の歩道を歩いている。

大人同士でもすれ違うのがやっとで、雨の日は傘をかばって、つい車道に逃げてしまうような狭い場所です。

そこへ向こうから、歩道を左側に走ってきた自転車の子どもが現れた。


詰み?

かつてなら、どちらかが車道へヒラリと身をかわしたりしていました。


でもそれって、本当は誰が避けるべきなんだろう。


今は、光る警察官の目。
自転車側は、いくら子どもとはいえ、ここでスピードを緩めず突っ込めば「歩行者妨害」。切符は切られなくても、責任まで免除されるわけじゃありません。
かといって車道に飛び出せば、後ろから来た車に「危ない!」とクラクションを鳴らされる。


なんだか将棋の『詰み』より難しそう。将棋のルールも、交通ルールも良く知りませんが。


考えているうちに、思い出した話がある。
テレビで見たのですが「ちりんちりん」と口で言って、自転車がベルで歩行者をどかした、みたいな話。


口で言われるの?ちりんちりん?面白いけど……。

でも、狭い歩道では、そんなこと言われても、どく場所がないよ。

そもそも自転車のベルって、そんな用途だったか?



たまに見かける、まるでツール・ド・フランスに出場するかのような猛スピードで駆け抜けていく小学生。

ん?エイトマン?

多少微笑ましく見ていたけれど、過去には子供の自転車事故で、大人の人生が数回分買えるような高額な賠償金が発生したニュースもありました。 「子供だから」で済まない怖さが、今のサドルには乗っかっています。


自転車に乗る知人たも、なんだかため息をついています。
「目的地が右側にあるのに、ガードレールがあって渡れない。結局、何百メートルも先の信号まで行って、そこから自転車を降りてトボトボ押し歩きで戻ってくるんだよ」

めんどくさっ!

なにそれ?左側通行だから?

歩きと変わらなくない?


さらに大変なのは、車を運転する人たちです。
新しいルールでは、自転車を追い越す時に「十分な間隔」を開けるか、それが無理なら「ノロノロ運転(徐行)」で付き添わなきゃいけない。

大型トラックが、小さな自転車の後ろを、まるで大名行列のしんがりのようにゆっくり進んでいる光景。
シュールだけれど、それが今の「正解」なのです。自転車は、歩道を走りづらくなっちゃいましたからね。


「ちょっとそこまで」が、こんなに気を遣う儀式になるとは。


なんか免許のない人間こそが、勝組っぽい雰囲気!


自転車に乗る人は、ルールに縛られ、車に怯え、歩行者に道を譲る。
車に乗る人は、自転車を腫れ物のように扱い、神経をすり減らす。
そして歩行者の私は、その様子をガードレールの内側から眺めている。


みんな、自分の目的地に行きたいだけなのに。 道路はいつの間にか、高度な心理戦を求められる「社交場」になってしまいました。

でも、あの角で警察官が立っていることで、 「レース」をしていた小学生が少しブレーキをかけ、 車が自転車を優しく見守り、 私があの細い歩道を安心して歩けるのなら。

この「めんどくささ」は、誰かの痛みを防ぐための、 必要経費みたいなものかもしれません。


歩道でベルもなく、背後に迫ってきた朝が、確かにありましたから。

明日の朝も……まぁしばらくの間は、あの角に「違和感」が立っているでしょう。
私はそれを見て、少しだけ背筋を伸ばし、 そしてなぜだか緊張し、今日もゆっくりと歩き出すのです。


自転車や車に乗って、さっそうと街中を通り抜けるのは、来世になりそうです。