マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

カエル少年と伝説のガマ様!冷や汗オイルで女将の心臓を救え! その1

⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら
⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら


「ママ、今日も“あのお話”して!」


ベッドで目を輝かせるクロ太くんが大好きなのは、伝説のカエル妖怪「大蝦蟇さま」の話。池をお風呂にしちゃうほど巨大で、ヘビまで食べちゃう最強のカエルなんだとか!そんな憧れを胸に、カエル少年クロ太さんは今日、ポ村にやってきた“本物のガマ様”に会いに行きます。

一方、小料理屋「三すくみ」の女将ナメ江さんは、心臓の違和感にドキドキ…。果たしてガマ様は、ナメ江さんのピンチを救えるのか!?そしてクロ太さんが見つける“憧れの大人像”とは…?クスッと笑えて心温まる、不思議な物語の始まりです!

寝物語の伝説と、ガマ様への憧れ

ママ、今日も眠る前にお話しして。

お話?そうねぇ。ええと、昔はね。日本各地に巨大なガマガエルの妖怪が目撃されていたそうよ。

妖怪?カッパみたいに?カッパって両生類風だから仲間みたいに思ってたんだ。ところで巨大ってどのくらい?

この大きな池をちょうどいいサイズのお風呂にしちゃうくらい大きいカエルよ。

お風呂?「茹でガエル」になっちゃうよ!

ふふ、そのカエルの妖怪は大蝦蟇さまと言ってね、蛇も食べちゃうんだって。

蛇も?カエルが食べられちゃうんじゃなくて、カエルが食べちゃうんだ?アナコンダも?

そりゃそうよ、だってこの池をお風呂にしちゃうくらい大きいんだもの。

カエルはすごいんだね。じゃあもう大蝦蟇さまがいらっしゃれば、三すくみは成り立たなくない?カエルは蛇もナメクジも飲み込んでしまうんだもの。

ほんとそうね。

じゃあジャンプ力もすごいのかな。

よく分からないけれど、そうかもね。それだけ大きかったらジャンプして、あの雲にも舌を伸ばせば届くのかも。

雲に!?すごいなぁ。

すごいわね。

無敵のカエル大蝦蟇さま、一度会ってみたいな。




カエルになりたてのクロ太さんと、まだ幼い弟のタマちゃんは、やけに嬉しそうにポ村を歩いていました。

二人が向かう先は、憧れの大人ガエルであるガマ様の元です。クロ太さんたちのカエルの長、ガマ様がポ村に住むカエルたちの様子を見に来てくれたそうなのです。

ガララ

小料理屋「三すくみ」の戸をガラガラと開けると、料理人のフロ次さんが笑顔で出迎えてくれました。

「フロ次叔父さん、こんにちは」
「クロちゃん、タマちゃん!」

そして噂のガマ様も…

不思議なチカラがあるというガマ様。

クロ太さんは内心ガマ様のことを、伝説の妖怪”大蝦蟇さま”ではと思ったりしています。


元はクロ太さんたち同様、普通のカエルだったガマ様。


「フロ次叔父さん。ガマ様って、どうしてあんなにすごいの?ひとを治癒する能力があったり…」
「実はね、昔は普通のカエルだったんダッテ」


ガマ様の能力、ひょんなことからナメ江さんが、ガマ様の潜在能力を引き出したのだそうです。


「ナメ江さんが頭をポンって触ったら、なんだか“スイッチ”が入っちゃったみたいで…」
「スイッチ!?」

「マメチュー先生が言ってたけど、カエルにも人間にも“眠ってる力”ってあるらしいンダ。集中力とか、記憶力とか発揮しきれていない力」

「ガマ様の眠っている能力が目覚めたの?」

「そうみたい。ナメ江さんの“触覚”が、目覚めさせたのかもね」

ナメ江さんが、ガマ様の頭に触れたその時。


不思議なこともあるものです。
ナメクジ星人の能力に酷似

続きます