マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

医者なのに不健康!?ポ村のくまじろ先生、コレステロールとの戦い その3

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前回のお話
ポ村唯一の内科医くまじろ先生。
彼はどうやら食べ過ぎが原因で、コレステロール値を下げるお薬を服用しているようです。
そのため生活習慣を改善するよう指導されているのですが、積極的に行う様子がないみたい。

突然の異変、そして小さな一歩

ポ村唯一の医師、くまじろ先生はどうやら食べ過ぎが原因で、コレステロール値を下げるお薬を服用しているようです。そのため生活習慣を改善するよう指導されているのですが、積極的に行う様子がないみたい。

「休みの日に体操クラブ?だめだめ、無理無理!」
「なんで無理なんですか?」
USAさんの問いに、くまじろ先生はため息をついています。

「休みの日はゴロゴロして過ごすのが楽しみなのに、体操しに行くなんて…。今度はストレスで病気になっちゃうよ。僕の唯一の楽しみとる気?」
「唯一って、もっとまともな楽しみ増やしましょうよ!あ、今度エド・シーランのライブ一緒に行きます?」

「行かないよ。休みの日は朝から肉食べて、揚げ物食べて、ラーメン食べて、それからドーナツ食べて日本酒飲むんだから」
「あたしも日本酒好き!じゃないんですよ!なんですか、その食生活は!?お野菜は?にんじん美味しいですよ!」

「野菜?肉と一緒だったらまぁ、食べることもあるけど。そもそもにんじんってさ、生の食感とか変じゃない?枝みたいでさ」
「枝!?食べたことないから、知りませんよ。食感いいじゃないですか。サラダ美味しいですよ。バーニャカウダなんて最高じゃないですか!」

「休みの日はね、他にテレビ見て、マンガ読んで、歴史小説読んで、アプリゲームやるから、けっこう忙しいんだ」
「何だかなまけた学生の、春休みみたい」 USAさんの言葉に、くまじろ先生は少しだけ顔を赤らめています。

「大人になったって、春休みは欲しいのさ。好きな物ばっかり食べたいのさ。なんで食べちゃダメなのさ!」
「医師とは思えぬ物言い…」

「はぁ、いつもは患者さんに言う側なんだけどね。人にはさ“甘えるな”って思うのに、自分は出来ないんだよ。困ったよね。これで死んだら笑われちゃうよね…」

その時、くまじろ先生が突然、小さく呻き、胸のあたりをそっと押さえる。
「え?くまじろ先生!?」USAさんが慌てて駆け寄りました。

そしてマメチュー先生は静かにくまじろ先生の脈を測る。

「ごめんごめん大丈夫」
「くまじろ先生が病気になっても笑ったりなんてしません。みんな心配していますし、死んだら悲しいですよ」
マメチュー先生の優しい言葉が、くまじろ先生の心に染み渡っているようです。

「そうですよ。ポ村のみんなが頼りにしているお医者さまですもの」
「そうか。そうなのかなぁ…」 くまじろ先生は少し顔色を戻したが、まだどこか虚ろな目をしています。

「いきなり食生活は変えられないから、今の状態をキープってことでもいいかな?」
「だめですっ」 USAさんが食い気味に言い放つ。

「そうだ!あたしが美味しいにんじん料理を作ってあげますよ!くまじろ先生、好みの味なら食べられますよね?」
その言葉に、くまじろ先生は戸惑いつつも、少しだけ目を見開く。

「ありがとう。でもどうやっても食べられなかったら…ごめんね」
「頑張ります!」

「お肉がお好きなら、人参と豚肉の甘辛炒めなどはいかがですか?生でボリボリ食べるのもいいですが、実は生だとほとんど栄養が吸収できないのですよ」

マメチュー先生がそんなことを言っています。

「えーそうだったんですか!?おいしいのに!」
「油で調理するとβ-カロテンの吸収率もアップするんです」

「USAさん、勉強になったね。生より油だよ」
「いや、くまじろ先生が勉強するんです!」

「一応知ってたけどね…」
「ええ?ほんとですか?」 USAさんが疑いの目を向ける。

「でも、マメチュー先生、USAさん、色々ありがとうです。改善の兆しが見えてきた気がするよ。でも…ちょっとさ。神さまに願うことがあるんだよね」
「え?なんです?」

「ううん、なんでもない。笑われちゃうから…」 くまじろ先生は、USAさんから顔をそむけ、小さく呟く。
「だから笑いませんって」

「神さまお願いします」

「炭水化物や甘いもの・揚げ物が一番身体に良いものになりますように。運動しなくても不健康な身体になりませんように…ってね」
「笑うどころがそれすっごく分かります!」
「でしょ?」

USAさんの作る人参料理。
くまじろ先生の人生に小さな変化をもたらすかもしれませんね。不摂生医師の、長い改善への道が、始まろうとしています。