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前回のお話
ポ村唯一の内科医くまじろ先生。彼はどうやら食べ過ぎが原因で、コレステロール値を下げるお薬を服用しているようです。
医者の不養生と隠された葛藤
くまじろ先生はどうやら食べ過ぎが原因で、コレステロール値を下げるお薬を服用しているようです。
翌日。
薬局のドアが開くと、くまじろ先生が顔だけを覗かせました。

「こそっと何してるんですか、くまじろ先生」USAさんが眉をひそめています。
「いやぁ…コレステロールの薬を貰いに来てるなんて、村長や患者さんにバレたら、何を言われるか…」
くまじろ先生は顔をしかめる。彼はポ村の健康を預かる医師。自身の不摂生が露見すれば、村全体の信用問題になりかねません。
「でも、体型から、もう勘づかれてるんじゃないですか?」
USAさんはくまじろ先生のお腹を容赦なく「むにっ」と掴んでいます。
「くまじろ先生、コレステロール値が高いと、どうなるかご存じですよね?」 USAさんが鋭く問いかけます。
「知ってるさ!コレステロールには善玉と悪玉があって、悪玉が増えると血管の壁にベタベタくっついて、動脈硬化が進んで…最悪、心筋梗塞や脳梗塞になるんだろ?分かってるよ!」 くまじろ先生は早口でまくし立てています。
”知っている”と強調する声の裏には、どこか焦りが滲んでいる。
【ここで、コレステロール値が高いと何故いけないの?】
健康に気を付けている方など、ご存じの方も多いでしょうが改めてご説明いたします。
絵マメチュー先生のマメ知識
コレステロールには大きく分けると2種類あります。
1.「悪玉」
と呼ばれるLDLコレステロール
2.「善玉」
と呼ばれるHDLコレステロール
LDLとHDLを合わせて総コレステロールとよびますが、LDL(悪玉)が多すぎてもダメだし、HDL(善玉)が少なすぎてもダメ。
脳の血管が詰まれば脳梗塞を起こしてしまう危険があるので、それを予防するためにコレステロールを下げることが大切。コレステロールが高い原因は、遺伝的なものや、他の病気が原因のこともありますが、およそ8割以上は…

などですから、お薬より先に生活習慣を改善することが大事。運動・食事療法などで健康な体を手に入れるため、日々心掛けて下さい。それでも十分に下がらない場合には、お薬の助けを借りましょう。
くまじろ先生は、生活習慣を改善できてるのでしょうか?肥満の方は、体重を1kg減らすと血中総コレステロール値が10mg/dL下がると言われています。
「ちょっとは食事、気をつけているんですか?」
「維持はさ、してると思うんだよね。悪化はしてない、はず」
「維持じゃだめなんですよ!もっとコレステロール値を下げないと!」
「生活習慣病についての知識があるからって、健康的な食生活が送れるわけじゃないんだよね。セルフメディケーションって難しいなあ」
くまじろ先生は遠い目をしています。知識とは裏腹に、自分を律することができないことに葛藤しているようです。
「だって他の皆だってさ、分かってて食べちゃうんだから、ねぇ?そうだよねぇ?」
「だからって、お薬に頼ってばかりいちゃだめですよ。お薬は最後の手段。自分で食生活をコントロールしないと!」 USAさんがぴしゃりと言い放ちます。
「でもねUSAさん、分かってる?だいたい食事をコントロールできない人が、脂質異常症とかになりやすいんだよ?健康に気を付けてる人たちと違って、そういうタイプの連中は、食事コントロールとか、非常にしんどいんだよ?」なんだかまるで自分自身への言い訳のをしているようです。
「そうでしょうけど。だから村長もそんな人たちのために、地域のみんなが参加できる体操クラブとか作ってるじゃないですか。参加したらどうです?」
「せっかくの休みの日に体操クラブ?ダメダメ、無理無理!」
くまじろ先生は顔を真っ赤にして首を振っています。彼にとって、休日は唯一の逃げ場なのでしょう。

続きます