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迫り来る不調の影
「はぐはぐはぐ」

「うーん、まだ食べ足りないなあ。あ、冷凍コロッケがある!」

カタカタ。

調剤事務員のUSAさんは、処方箋の内容を調剤薬局用のソフトに素早く入力。今日は忙しかったようで、ミスのないようクオリティ重視でお仕事中。

「あんまりカロリーがあるものを摂っちゃうと眠くなるから、ハーブティーがちょうどいいのよね」
こうして仕事中でも身体を休めて、優しくしてあげるのは大切なことです。

マメチュー先生が育てる薬草からは独特の匂いが漂っています。
「マメチュー先生、このアルファルファっていうハーブティー、緑茶みたいで飲みやすいですね」
「そうなんです。患者さんにも人気の商品ですよ」
臭くて苦くて嫌な薬草もあるけれど、身体にいいのだと思うと全てに感謝したくなっちゃいます。薬草はいつもまゆさんが採取しに行ってくれるのですが、鉱物などはマメチュー先生が行くこともある。お薬は植物だけでなく、動物の骨や角、鉱物からも作る事が出来るのです。
ちょっと魔法使いが作るお薬のようですよね。マメチュー先生は西洋薬・漢方薬の他、薬膳料理・ハーブなど色々精通しているためか、いっつも元気。肌ツヤも良いみたいです。
「健康も美容も、食が一番大事だものね。あたしもマメチュー先生を見習わなきゃ!」
ピー、ガラガラガラ
薬局のFAXが震える。
「あっ、処方箋だ!お仕事お仕事!」
古臭いと思われるFAXですが、マメチュー先生の薬局ではまだまだ活躍中。それでも2023年1月からは、電子処方箋も導入。これにより、複数の医療機関・薬局間で情報を共有することが出来るようになりました。しかしそんなFAXから紙が排出される音と共に、USAさんの表情がみるみる曇っていきます。
「ええ?またっ!?」
FAXから出てきたのは、ポ村の内科医、くまじろ先生本人の処方箋でした。


笑顔ではっきり言うタイプの先生。でも診断は性格で頼りになります。
「胃が痛くなるまで食べ過ぎたらだめだよ?」
「はい、すいません…」
「じゃ、お大事に」
「ありがとうございました」
「ああ…しかしお腹減った」

「マメチュー先生、くまじろ先生の処方箋です」
USAさんが処方箋を差し出します。
「そうですか。今回もコレステロールのお薬ですかね?」
「そうです。全くあの先生ったら…、食べ過ぎなんですよ!」
USAさんの呆れた声が薬局に響いています。普段からコレステロール値や中性脂肪の値が高いくまじろ先生。脂質異常症が原因で、コレステロール値を下げるお薬を服用しています。
いつもマメチュー先生からも食生活には気を付けるよう、言われていたはずなのですが…
続きます