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「ポあね、ほらこれ」
「何?おとうさん」
ポあねが実家に帰ると、スマホで撮った動画を見せてくるという父。
毎回父が見せてくるこの手の動画や写真に対するリアクションに、ポあねはほんのり困っている様子。
「か、かわいいね」
「うん。そうだろう?まん丸くて小っちゃくてな?」
知人が送って来る画像など、見せられてもリアクションに困るのって、結構あるあるですよね。
例えば。
”座敷童を目撃して撮影にも成功したよ。さらに幸せが舞い込んできた!見て!!この座敷童の画像。見るだけでも幸運が舞い込むらしいよ。これを見せた友だちはね。ご飯食べに行った時、みんな食中毒になったのに自分だけならなかったって言ってた!だから見せてあげる。きっとあなたも老衰で幸せに逝けると思うよ”
とかいう画像だったら見てみたいし、いくつか質問もしてみたくなるかもしれない。
”座敷童は本当に撮影できたの?座敷童ってどんなだった?でも舞い込んできた幸運ってそれ、単に健康体だったからじゃないの?”
とか、色々その画像で話せると思う。
いやホントは私、雀は好きなので彼らの砂浴びシーンなら、こっそりのぞいちゃいますけどね。最近、私の住む町には雀…少なくなっちゃって寂しい思いもしてるし。
とにかく動物好きの父は、“冬支度”という記事でも書きましたが、庭の木にオレンジを突き刺したりして、日々小鳥をおびき寄せているようです。
実家には動物図鑑的なものが多数あるのですが、野鳥図鑑なるものもあり、さらには双眼鏡も置いてある。
父は動物園や水族館に母に嫌がられながらも行きたがるので、動物全般が好きなのかと思っていたのですが、
中でも鳥類が特に好きなのかもしれません。
しかし残念ながら、実家周辺で生息している鳥の種類はあまり多くなく、そんなには見かけません。そんなこともあるからか、父は自然が多い所に行くと見たことのない鳥を見つけては、嬉しそうに眺めています。
「ポいも、あそこに水鳥がー」
「うん、いるね、おとうやん」
そんな風に調子こいて水鳥に近づき過ぎた結果、父は川に落ちたことがあるそうです。落ちたと言っても足が川に浸かったくらいなのだそうですが、目撃していた母にとってはそれが衝撃だったらしい。
以来、川を見るたびにその出来事が思い出されるらしく「お父さんたら川に落っこちたのよ」と、繰り返し聞かされることになりました。
でもそんな父の行動が分かるくらい鳥は可愛い。街中で見かけた、まだ羽毛に覆われたカラスの赤ちゃんも可愛かった。身体はもうビッグサイズだったんですが、顔立ちはまだあどけなく、おうちから落ちてしまったのか困った顔をしていました。
出先だったし保護は出来なかったけど、大丈夫だったかな?
お庭でアヒルを飼っているお宅を見つけた時も、ついつい近くで見たくて寄って行ってしまう。同じくアヒルを散歩させていた人を見かけた時は、もっと眺めていたくてアヒルと一緒にヨチヨチ歩いていきたくなる。
怖がられるかもなので、結局は遠くから眺めるだけですけどね。
続きます