マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

食間について その4

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前回のお話

胃を痛めてしまったケイヒさんは、薬を服用しようとしますが用法用量には”食間に服用”と記載されていました。「食間っていつ?食事と食事の間?それは具体的にいつのこと?」悩んでしまいさらに体調が悪化したケイヒさんは、マメチュー先生の薬局に電話。

 

その後、ケイヒさんからの連絡を受けたクラゲさんが迎えに来てくれました。

 

 

「すんません。ご迷惑おかけしました。マメチュー先生の顔見たら、なんか落ち着きました」

マメチュー先生は胃に優しい、カモミールティーを出してくれました。

 

 

【食間とは】

食後、2時間位たってからの事です。 

胃の中のものが消化されるので、薬の吸収がよくなります。

他に、空っぽの胃が胃酸で刺激されないようにする為にも、食間に服用する場合があります。

 

 

「食間は、食後2時間後のことかぁ」  

「そうです。ちょっと分かりづらかったですよね」

 

「やっぱちゃんと服用時間って意味あるんすね」  

「もちろんです。もしお薬を服用してもまだ体調が悪いようでしたら…」

「あい。その時は、くまじろ先生とこ行ってみます」

 

「では、今は休憩室で少し休んで行ってください」

「ありがとうございます」

「じゃあちょっとだけ寝とけ。な?」

 

にゃこに腕枕は腕枕をせがんでいます。

 

「赤ちゃんかよもぉ~、ハハハッ」

胃に優しいカモミールティーを、マメチュー先生からの頂いたケイヒさん。

 

薬を飲まなくても胃の調子が良くなったようで、薬局で自宅のように寛いでいました。

回復したケイヒさんは、服用時間についてマメチュー先生にもっと詳しく質問。

 

「でも本当は大部分のお薬は、いつ服用しても効果に差はあまり無いんですよ」

「へ?差が無い?じゃあ何で食前食後とか、設定してるんですか?なんか食後に服用するパターンが一番多い気がするけど」

 

「鋭いですね、ケイヒさん。実はそうなんです。食後に服用するようにしておくと、飲み忘れを一番防げるんです」

「飲み忘れ?なるほど、それで食後が多いんですね」

 

“食後イコール薬を飲む💊”

 

「確かに。ちょっと思ってたんですけど、食間なんてチョー忘れそうですもん。そろそろ薬の時間だなって思った直後に忘れそう」

 

「とはいえ薬の性質によっては、必ずその時間に服用しなければならないものもありますので」

 

「なるほど。それはそれでちゃんとあるんですね」

 

例えば『糖尿病治療薬”』は食直前に服用。
食直前に服用すると、血糖値の急上昇を抑えることができる。
一方で、食後に服用すると効き目が悪くなる。
 
 
「治るもんも、治りづらくなるってことか」
「そうです。勝手に服用時間は変更せず、決められた時間は守って下さいね。薬の効果、そして安全面からみても大事な事ですから」
「もちろんです。そこは任せて下さい!」
 
不安症で繊細なケイヒさん、安心して薬を服用する為には、しっかり服用時間を守ります。
きっとこれ以降、食間の意味を忘れることもないでしょう。
 
体調を崩しても自分ですぐに対処できるようにならないと、大切なお野菜たちを守ることはできませんからね。