マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

食間について その1

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「そうめん(乾麺)と薬味ですか?ナメ江さん、わざわざありがとうございます」

「いいえケイヒさん。コチラコソ、お野菜を頂いちゃっテ」

農家のケイヒさんと、小料理屋三すくみの女将ナメ江さんとの物々交換。これはポ村ではよく見られる光景です。

 

それにしてもナメ江さん…

荷物が重いからか、ほんのりと潰れているようです。

「違うのヨ。出かけるときに色々と荷物を揃えていないと、心配になるものダカラ」

「なるほど。それ、良く分かります。僕もです」

 

例えば、カード類をパンパンに入れた財布・他貴重品、折り畳み傘、携帯等のガジェット類、消毒液、マスク、ハンドタオル、飲料水、お菓子などの食料、本、医薬品、筆記用具、エコバックは必ず入れているというケイヒさん。

 

「ウン、ウン」

 

他、いつ災害が起きてもいいように、アルミ毛布、軍手、携帯トイレ、懐中電灯、防犯ブザー、あとスマホが使えなくなってもいいように知人の連絡先が書かれたメモ帳、小銭も財布とは別にたくさん持って出かけます。

 

 

「素晴らしいワ。安心して出かけれるワネ」

「旅行する時なんか、さらに多くなりますよね」

 

「着替えとか、日用品とかネ」

「一か月前から準備しちゃって」

 

「足りないモノはないか、何度も確認しちゃうのヨ」

 

「心配性の人あるあるの”鍵はかけたか、ガスの元栓は締め忘れてないか”もソウダケド、何度も確認したくナルノヨネ」

「そうそう」

 

でもこんなに心配しているのに日々のルーティン作業だからか、鍵を閉めたのがいつのことだったのか分からなくなる。

 

「んで、気にしまくっているのにも関わらず、ごくたまに本当に閉め忘れていることがあるんですよね」

 

ケイヒさんにとって、出かける前に閉め忘れることが多いのは、ごみの日。ちゃんと全部ごみを持って来ているかに気を取られ、鍵を閉め忘れる。

 

帰ったあとに閉め忘れることが多いのは、買い物袋を整理する方に気を取られ…

荷物を片付けることを優先してしまったからか、鍵を閉めることを忘れてしまう。

 

「そうなのよネェ。きっと、一つのことに集中してしまうんダワ。私タチ」

「なんでも身に付けていたくなるタチなんですけど、貴重品はどこまで持ち歩けばいいのか、ちょっと迷いません?」

 

「分かるワー。最近は人が見ていない時にコソッと盗むスリや空き巣じゃなく、大胆な強盗事件が多いモノネ」
「そう、注意していても防げない。ナメ江さんのように女性だと、正面から貴重品を取りに来られたら抵抗出来ないですよね」
 
家に貴重品を置いておくと、自分が見ていない間に空き巣に入られたらどうしようと心配する。持ち歩いていたら持ち歩いていたで、今度はカバンごと強引に持っていかれたらどうしようと心配する。
 
「貴重品の隠し場所、どこにしたら一番安全かとか考えません?」
「考えるワー」
 
 
 
よくあるのがタンス、本棚、冷蔵庫、仏壇、額縁、ベッドの下、洗面所などでしょうか。
 
「持ち運べないサイズの耐火金庫を買うとか…」
「でも沢山の宝飾品があるとかジャナクテ、重要な書類とか、キャッシュカードとかを保管したいだけダカラ、お金をかけたくないのヨネ」
 
「ですよね」
「ウーン。空き巣相手の隠し場所」
 
「空き巣は、盗む際に時間がかかる場所は手をつけないとか」


例えば、屋根裏とか重い家電や家具の下なんかは、探す手間がかかるからわざわざ探さないとは思います。
 
「でももし”火事になったら”とかも考えナイ?」
「考えますよ、もちろん。だから家の中じゃなくて、やっぱり”庭がいいかな”なんて思っちゃうんですけど」
「あ、いいカモネ。土の中とか」
 
「でも考えている途中で頭の中に雨が降って来たんですよ。そんで貴重品、流されていったんです。動物に掘り起こされかもって想像もしちゃいました」
「筋金入りの心配性ネ」
 
「その心配性の件でちょっといいですか?みんな(農作物)のことが気になっちゃって。水を欲しがってないか、ちゃんと太陽を浴びれているか気になるので、そろそろ確認してきていいですか」
 
「心配なのネ。私も昨日のカレーを冷蔵庫にしまい忘れてイナイカ、心配ダカラ見てくることにするワ。菌が繁殖していたら嫌ダモノ」
 
貴重品のこと以外でもお二人の心配は続きそうです。
 
続きます