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前回のお話
薬局に遊びに来ていたトビーくんは、頂いたレモンスカッシュを一気飲み。それ以来、何だかしゃっくりが止まりません。
ひっく、うっく。
「ぼくさぁ、トビーくん。聞いたことがあるんだけど、しゃっくりが止まらないとさ…」
「あ、マメ先生だ」
ポ村の名産品の一つに、梅こんぶ茶があります。
梅こんぶ茶は、代謝UP・便秘解消・ダイエット等、様々な健康効果が得られますし、調味料の代わりにもなります。
ふーふー、ちびちび。
「はぁ、おいしいわぁ」
きのこさんは酸味と塩味を感じつつ、勿体振りながら少しずつ飲むのが好きなようです。
「マメチュー先生も、梅こんぶ茶お好き?」
「もちろんです。美味しいものは、ゆっくりと楽しみながら味わいたくなりますよね」
ひっく、ひぃーっく。
「トビーくん?どうしたんですか?」
「ひっく、しゃっくが止まんないー!」
「あのね、マメ先生。トビーくんがね」
きのこさんやマメチュー先生と違い、飲み物…というか炭酸飲料を一気に飲み干してしまったことで、しゃっくりが止まらなくなってしまったトビーくん。
「ひっくっ、ひっ。ペ、ペンネくんが…しゃっくりが止まらないとうっく。死んじゃうって…えっく」
「死んじゃう?ああ、なるほど。迷信の」
「めいしん?」
「さっきのレモンスカッシュ一気に飲んじゃったんだって?」
心配になったパゴロウさんも様子を見にやって来ました。マメチュー先生や、きのこさんも心配そうにしています。
”しゃっくり100回で死ぬ”と言うのは迷信ですが、炭酸を多量に一気に飲んだ場合、死亡事故もあるとのこと。
トビーくんが飲んだ程度の量なら問題ないとは思いますけど。。。
「しゃっくり、や~!いなくなれ~。チューマメ先生止めて~」
しゃっくりから逃げようとしているのか、トビーくんは走り回っています。
「しゃっくりを止める方法……確か横隔膜が痙攣して起こるんですよね。くまじろ先生に聞いた事があります」
「2日以上続くようなら病気が隠れている可能性もあるとか」
「トビーくんも、くまじろ先生にしゃっくりの事、聞いたことある~」
”トビーくんがママのお腹の中にいる時、お口に入った物を吐き出す為に備わった反射だよ。お腹の赤ちゃんにだけ必要なもの。一応しゃっくりの経路に刺激を与えるとおさまるよ“
くまじろ先生のお話を聞いて、きのこさんはふと何かに気付いたように語り出しました。
「しゃっくりの経路に刺激?じゃあ昔から言われているしゃっくりの止め方って、多少効果があるのかしら?驚かすとか、息止めるとかあれは刺激を与える為の行為なのね」
「じゃあさ-ひっくっ。トビーくんを驚かしてみて~、まっふっ」
「まぁ、トビーくんを?」
きのこさんとマメチュー先生は、今まで人を驚かした事がありません。
「うーん、難しいわねぇ」
「えー?ひっく。どっきり番組見たことないの?”夜中起きたら、小人が靴を作ってた”とか”おばあさんだと思って話しかけてたら、実はオオカミだった”とかそういうの」
「それ、童話じゃない?」
「そっか。ひっく。じゃあ”流れてきた桃を割ったら赤ん坊が出てきた”とか、”竹を割ったらお姫様が出てきた”とか…ん?これは日本昔話だっけ?チューリップからお姫が出てくるのは…こっちは外国のお話?」
「でも、桃を割って赤ちゃんが出てきたら、びっくりしますよね。しゃっくりが止まりそうなくらい」
「そうね、パゴロウさん。なのにその桃から出てきた赤ちゃんを、育てる決意を下した老夫婦には、敬服するわ」
「ところでさぁ」
続きます