マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

微妙に不愉快なしゃっくり その2

⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら

⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら

 

前回のお話

薬局に遊びに来ていたトビーくんは、頂いたレモンスカッシュを一気飲み。それ以来、何だかしゃっくりが止まりません。

 

ひっく、うっく。

 

「ぼくさぁ、トビーくん。聞いたことがあるんだけど、しゃっくりが止まらないとさ…」

「あ、マメ先生だ」

ポ村の名産品の一つに、梅こんぶ茶があります。

梅こんぶ茶は、代謝UP・便秘解消・ダイエット等、様々な健康効果が得られますし、調味料の代わりにもなります。

 

ふーふー、ちびちび。

 

「はぁ、おいしいわぁ」

きのこさんは酸味と塩味を感じつつ、勿体振りながら少しずつ飲むのが好きなようです。

 

「マメチュー先生も、梅こんぶ茶お好き?」

「もちろんです。美味しいものは、ゆっくりと楽しみながら味わいたくなりますよね」

 

ひっく、ひぃーっく。

「トビーくん?どうしたんですか?」

 

「ひっく、しゃっくが止まんないー!」

「あのね、マメ先生。トビーくんがね」

 

 

きのこさんやマメチュー先生と違い、飲み物…というか炭酸飲料を一気に飲み干してしまったことで、しゃっくりが止まらなくなってしまったトビーくん。

 

「ひっくっ、ひっ。ペ、ペンネくんが…しゃっくりが止まらないとうっく。死んじゃうって…えっく」

「死んじゃう?ああ、なるほど。迷信の」

「めいしん?」

 

「さっきのレモンスカッシュ一気に飲んじゃったんだって?」

 

心配になったパゴロウさんも様子を見にやって来ました。マメチュー先生や、きのこさんも心配そうにしています。

 

”しゃっくり100回で死ぬ”と言うのは迷信ですが、炭酸を多量に一気に飲んだ場合、死亡事故もあるとのこと。

 

トビーくんが飲んだ程度の量なら問題ないとは思いますけど。。。

 

「しゃっくり、や~!いなくなれ~。チューマメ先生止めて~」

 

しゃっくりから逃げようとしているのか、トビーくんは走り回っています。

 

「しゃっくりを止める方法……確か横隔膜が痙攣して起こるんですよね。くまじろ先生に聞いた事があります」

「2日以上続くようなら病気が隠れている可能性もあるとか」 

 

 

「トビーくんも、くまじろ先生にしゃっくりの事、聞いたことある~」

”トビーくんがママのお腹の中にいる時、お口に入った物を吐き出す為に備わった反射だよ。お腹の赤ちゃんにだけ必要なもの。一応しゃっくりの経路に刺激を与えるとおさまるよ“

くまじろ先生のお話を聞いて、きのこさんはふと何かに気付いたように語り出しました。

 

「しゃっくりの経路に刺激?じゃあ昔から言われているしゃっくりの止め方って、多少効果があるのかしら?驚かすとか、息止めるとかあれは刺激を与える為の行為なのね」


「じゃあさ-ひっくっ。トビーくんを驚かしてみて~、まっふっ」
 「まぁ、トビーくんを?」


きのこさんとマメチュー先生は、今まで人を驚かした事がありません。

「うーん、難しいわねぇ」
 
「えー?ひっく。どっきり番組見たことないの?”夜中起きたら、小人が靴を作ってた”とか”おばあさんだと思って話しかけてたら、実はオオカミだった”とかそういうの」
「それ、童話じゃない?」
 
「そっか。ひっく。じゃあ”流れてきた桃を割ったら赤ん坊が出てきた”とか、”竹を割ったらお姫様が出てきた”とか…ん?これは日本昔話だっけ?チューリップからお姫が出てくるのは…こっちは外国のお話?」
 
「でも、桃を割って赤ちゃんが出てきたら、びっくりしますよね。しゃっくりが止まりそうなくらい」
「そうね、パゴロウさん。なのにその桃から出てきた赤ちゃんを、育てる決意を下した老夫婦には、敬服するわ」
 
「ところでさぁ」
続きます