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「どうぞ、マメチュー先生の手作りレモンスカッシュだよ」
「パゴ先生ありがとう」
ゴックゴック…
「ひっく、うっく」
「あれーペンネくん、しゃっくりー?」
「うん、ひっく。しゃっくりってなんか急に出るんだよね。うっく……。とまった」
「ペンネくんのしゃっくりは、すぐ止まるんだね」
「そうだよ、パゴ先生。もうちょっと長い時もあるけど、けっこうすぐ止まるー」
「トビーくんはしゃっくりほとんどしたことないなぁ。なんか、楽しそう」
「ほとんどしたことないなんて、あるんだぁ。人によって違うんだね。面白いなぁ」
”僕はトビーくんやペンネくんくらいの頃、しゃっくりをするのがちょっと怖かったな”
「じゃ、そろそろ仕事に戻るね。ごゆっくり」
「パゴ先生、ありがとー」
幼い頃はしゃっくりをするのが、ちょっと怖かったというパゴロウさん。
《しゃっくりが100回続くと死ぬ》
そんな迷信がありましたね。ただでさえ鬱陶しいしゃっくり。簡単には死なないと理解できた大人になっても、しゃっくりが止まらないのは確かにうざったい。
つい数えちゃうパゴロウさん。
”止まった!”そう思って安心した数秒後、性懲りもなく再びしゃっくりが出てくる。
あんまりしゃっくりが長く続くと”もしこのまましゃっくりが止まらなかったら”そんな風に頭をよぎったりもしてしまう。
”ほんとに死ぬ!”なんて思わない子もいたでしょうが、なんとなく”100”という数字は意識してしまうのです。
世界には約68年間もの長きに渡り、しゃっくりが止まらなかった人もいるとのこと。
「そういえば最近、しゃっくりしなくなったなぁ。幼い頃はGABA(抑制性の神経伝達物質)が未熟だから抑制が効かずに、しゃっくりが起きやすいんだっけ?なんかの時に、てんまさんからそんな話を聞いた気がする」
「今からこのレモンスカッシュを、一瞬で消しまーす」
「えー?トビーくん、そんなこと出来るの?」
「出来るよー」
「魔法?あ!手品かぁ」
「見ててね。びっくりするよ?」
「ふぅ。ほら、消えた!」
「きゃきゃきゃっ。ほんとだー。でもそれずるっこだー。ぼくも出来るよー」
「どうかな?ぼくとおんなじ早さで消すんだよ?」
「そっか、これ炭酸だからなぁ」
「そうだよ。お水とは違うんだから…らっらっ、ひっく」
「トビーくん?」
「うっく、ひっく。あれ?これしゃっくり?」
「大丈夫?トビーくんにもぼくのしゃっくりうつった?」
「うっまっ、ういっく」
「炭酸を一気に飲んだからかな?ぼくゲップなら出たことあるけど」
「炭酸を一瞬で消すとしゃっくり出るんだー…だぁっ、うっく」
「止まんないね。ぼくさあ、聞いたことがあるんだ。しゃっくりがとまらないとさ」
「止まらないと?」
続きます