マメチュー先生の調剤薬局

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ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

微妙に不愉快なしゃっくり その1

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「どうぞ、マメチュー先生の手作りレモンスカッシュだよ」

「パゴ先生ありがとう」


ゴックゴック…

 

「ひっく、うっく」

 

「あれーペンネくん、しゃっくりー?」

「うん、ひっく。しゃっくりってなんか急に出るんだよね。うっく……。とまった」

「ペンネくんのしゃっくりは、すぐ止まるんだね」

 

「そうだよ、パゴ先生。もうちょっと長い時もあるけど、けっこうすぐ止まるー」

「トビーくんはしゃっくりほとんどしたことないなぁ。なんか、楽しそう」

「ほとんどしたことないなんて、あるんだぁ。人によって違うんだね。面白いなぁ」

 

 

”僕はトビーくんやペンネくんくらいの頃、しゃっくりをするのがちょっと怖かったな”

 

「じゃ、そろそろ仕事に戻るね。ごゆっくり」

「パゴ先生、ありがとー」

 

 

幼い頃はしゃっくりをするのが、ちょっと怖かったというパゴロウさん。

 

《しゃっくりが100回続くと死ぬ》

 

そんな迷信がありましたね。ただでさえ鬱陶しいしゃっくり。簡単には死なないと理解できた大人になっても、しゃっくりが止まらないのは確かにうざったい。

つい数えちゃうパゴロウさん。

 

”止まった!”そう思って安心した数秒後、性懲りもなく再びしゃっくりが出てくる。

 

あんまりしゃっくりが長く続くと”もしこのまましゃっくりが止まらなかったら”そんな風に頭をよぎったりもしてしまう。

 

”ほんとに死ぬ!”なんて思わない子もいたでしょうが、なんとなく”100”という数字は意識してしまうのです。

 

世界には約68年間もの長きに渡り、しゃっくりが止まらなかった人もいるとのこと。

 

 

「そういえば最近、しゃっくりしなくなったなぁ。幼い頃はGABA(抑制性の神経伝達物質)が未熟だから抑制が効かずに、しゃっくりが起きやすいんだっけ?なんかの時に、てんまさんからそんな話を聞いた気がする」

「今からこのレモンスカッシュを、一瞬で消しまーす」

「えー?トビーくん、そんなこと出来るの?」

「出来るよー」

 

「魔法?あ!手品かぁ」

「見ててね。びっくりするよ?」

「ふぅ。ほら、消えた!」

 

「きゃきゃきゃっ。ほんとだー。でもそれずるっこだー。ぼくも出来るよー」

「どうかな?ぼくとおんなじ早さで消すんだよ?」

 

「そっか、これ炭酸だからなぁ」

「そうだよ。お水とは違うんだから…らっらっ、ひっく」

 

「トビーくん?」

「うっく、ひっく。あれ?これしゃっくり?」

 

「大丈夫?トビーくんにもぼくのしゃっくりうつった?」

「うっまっ、ういっく」

 

「炭酸を一気に飲んだからかな?ぼくゲップなら出たことあるけど」

「炭酸を一瞬で消すとしゃっくり出るんだー…だぁっ、うっく」

 

「止まんないね。ぼくさあ、聞いたことがあるんだ。しゃっくりがとまらないとさ」

「止まらないと?」

 

続きます