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前回のお話
三すくみの皆さんは午前中、陽射しを浴びて体温を上げないと活動しにくい性質を持っています。そんなお三方が日向ぼっこ中、お酒を飲んで身体を温めたいと、パカじいがやってきました。
「ボトルキープしている日本酒を飲ませてもらうよ」
パカじいをジッと眺めていたのは寒がっているナメ江さん。
「パカじい。フワフワっとして、暖かソウ」
一方、大の酒好きであるパカじい。
彼はお酒を飲んでふわふわとした感覚を味わいながら、ぼんやりするのが好きみたい。
「ええと、わしの日本酒はこの壺だったかの」
ヒュウウウゥ
「ん?」
ガタガタガタ…
「風まで出てきてしまったようじゃ。外はもうかなり寒いわい」
寒い時期はなかなか身体が温まらないし、乾燥も酷い。
早く家に入っていた方がいいのですが…
「痒イワァ、寒イワァ」
「乾燥で痒いんですか?後で”ガマの油”ヲ塗リマショウ」
「有難ウ。ガマの油、私には良く効くノヨネ」
寒すぎて体温が下がり、すでにうまく動けなくなってしまった三すくみの面々。
このまま一生寒さに震えたまま、身体が動かなくなってしまったらどうしましょう。
困ります…
一瞬フロ次さんが、アマガエルみたいに喉を膨らませているのかと思ったスネ文さん。
”暖かいヤ…”
ヒュウウウウゥ
強い風のせいで、店の前の植物も折れてしまいそうになっています。
それに気づいたフロ次さん。
「何かで括っとかなくちゃ。ア、コノ紐…」
「あらあら、スネ文さん?」
比較的元気なフロ次さんは、このままではまずいと思い、ナメ江さんとスネ文さんを店内に運ぶことにしました。
それなのに、彼らが店内に戻ろうとしたその時、強風がポ村を吹き荒れる。
ヒュウウウウゥ
「ワワッ!」
「アララ!」
「キャー」
「皆さん、大丈夫デスカ?」
「…」
「ナメ江さん?スネ文さん?」
このまま何週間か干していたら、スネ文さん、いい漢方薬になりそう…
フロ次さんはついそんなことを考えながらお二人を助けに行きます。
「今、風が強かったけど三人とも無事かい?」
「パカじい。一緒に二人ヲ、助ケテ貰ッテもいいですか?」
「なんだい、漢方薬みたいじゃないか…」
「ナメ江さんも、大丈夫かい?」
「ウウウ。パカじい…暖かソウ」
「だめだ。朦朧としておるな」
「フワフワ、暖カ…」
続きます