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ポいもは動物好きの父の影響があったためか、動物に興味のある子供に育ちました。
一方、母と隣に住む母方の親族は大の動物嫌い。 幼い頃から、この人たちとは価値観や考え方が違うなって思っていました。
そして母方の親族がポあねの方を可愛がっているのは、何となく分かっていたため、ポいも自身、そんなに懐いてはいませんでした。まぁあくまで何となくですけど。しかし大人になったある日、母方の伯母がポいもにポツリとつぶやいた言葉がありました。
「ポあねちゃんばかりを可愛がっていたから、ポいもちゃんはうちに遊びに来てくれなかったのよね」
この伯母さん、はっきりと”ポあねばかりを可愛がっていた”と打ち明けてきました。”遊びに来てくれなかった”ということを言いたかったのでしょうが、ポいもは”ポあねばかり可愛がっていた”という言葉の方に反応。
”ポあねばかり可愛がっていた”というのは感じてはいたものの、こうもはっきりと本人に伝えちゃうとは。それを言ったらどう思われるかなんて、分かっていないんだろうなぁ、この人。
”遊びに来てくれない”という自分の愚痴だけを言いたい人。
とにかく物心ついた時には、人間が苦手な傾向にある子どもでした。
特に母親以外には、なかなか心を開かない子ども。 母親にくっついて絶対に離れないので、迷子になることはなかったという子ども時代。
人間が苦手な分、動物が好きになったのかもしれません。
”動物のお友だちが欲しいな”
そう願っても、何しろ母親が動物嫌いなので、それは叶わぬ願い。なのでその代わりに水で膨らむおもちゃを、水に入れて飼っていました。
もちろんただのおもちゃですが、水に入れると膨らんで変化するところに、ちょっとだけ生き物感を感じていたのです。
おもちゃのザリガニ以外にもお友だちはいました。
大人になった今は、生というか直は苦手になってしまったのですが、幼い頃は昆虫にも興味がある子どもでした。そうそう、大人になると経験や認識の変化で、昆虫に対する嫌悪感が強まってしまうそうですよ。
しかし好奇心旺盛で未知のものに興味津々だった子どものころは、いもむしを見つけるとわくわくしたし、秋の虫の声を聞くと”どこに潜んでいるの?”と発見したくなりました。
彼らを見ていると、一人じゃないと思えたのかもしれない。
小学校一年生前後の休日。
外で遊ぶときは近所の幼なじみと公園に行ったり、ヨウシュヤマゴボウの実(有毒)を潰して色水を作ったりしていました。
でも彼らの都合が悪く遊び相手がいない時、ポいもは一人、虫取りアミを持って外へ。
虫のお友だちと遊ぶときは、一人の方がなぜだかウキウキしたのです。早速一人、アゲハ蝶の食草である山椒の木の元へ。
新しいお友だち探しです。
続きます