マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

冬眠明け その3

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前回のお話

冬眠が明けたばかりでぼんやりしていたまゆさんですが、明日のお正月はポ村民みんなが村役場に集う日。

さぼろうとしていたまゆさんですが、マメチュー先生に促されて出席することになりました。

しかし体内時計が乱れまくってやたらと眠そうです。

そんな時、自宅の煙突の方から物音が…

「え?な、なにっ?」

「にゃぷー、ぷぷー」

 

「にゃこ!にゃこってば!起きてよ。変な音がするんだって!羽音?村長?」

「にゃぷぅー」

 

「わぁっ!」

「こんにちはだす」

「こんにちはだす…って、え?カラスケどうしたの?」

 

「お届け物だす。マメさんからだすよ。散歩をしていたら、たまたま頼まれたのだす」

「マメチュー先生から?カラスケ、力持ちなんだねぇ」

 

中身を確認してみると、納豆に韓国のりに卵、それからお蕎麦でした。

まゆさんが好きなものの詰め合わせです。

 

「マジ嬉しい。なんだかんだで、もうお昼じゃん。お昼に納豆ご飯食べて、夜は年越し蕎麦だー」

「じゃあ、わたすはこれで」

 

「もう行っちゃうの?ゆっくりしていったら?外寒いでしょ?」

「この寒いのが気持ちいいのだす。外はあまり人がいなくて楽しいだすよ?こもっていたらもったいないだす」

 

「ふぅん、元気だなぁ。でもありがとう」

 

ばっさばさ。

 

カラスケくんは気持ちよさそうに飛び去って行きました。

まゆさんもそんなカラスケくんを、見習わなければいけません。

さっそくご飯を炊き、納豆ご飯に韓国海苔を振り掛けて食べることにしました。

 

納豆ご飯に韓国海苔。

安定の美味しさに少し気分も上がってきました。

 

「明日お礼言わなくちゃ…って、明日来いってこと?ちがうよね。マメチュー先生の純粋なやさしさだよね?」

 

ちょっとだけ勘ぐりつつも韓国海苔乗せ納豆ご飯を完食。

そのあとはおひさまに当たりながら景色を眺め、明日の準備をして、少しだけ掃除もする。

 

お夕飯には先程マメチュー先生から頂いたお蕎麦を茹でて、残りの納豆と卵の黄身と海苔を乗せて食べる。

「うんまっ。でも納豆蕎麦って納豆だけが残っちゃって、お蕎麦と上手に食べられないのが難点。」

 

ご飯のあとはストレッチをして、お風呂に入って、眠るまでの間は音楽を聴きながら読書。

「ふわぁ、もう限界眠いっ」

色々とこなしていたら、あっという間に夜も更けてきました。

 

「そろそろ11時か。もう寝てもいいよね。この時間から眠れば明日起きれそう」

夜眠るときは部屋を真っ暗にして眠る。

 

「にゃこったら、かつおぶしの匂いがしないからか、ごはんも食べずにずっと寝てるなぁ」

それはそれで羨ましい。

眠りたい時に寝て、ご飯を食べたい時に食べるのがねこさんというものなのです。

 

「にゃこ、一緒にお布団で寝ようか」

まゆさんは熟睡中のにゃこさんをベッドに運びます。

冬のねこさんは、ホッカイロ代わりになってとても暖かいのです。

 

「さ、あたしも今から明日の朝までねこになろっと」

 

すや…

 

…。

 

 

あたしは知っている。

 

 

にゃこが寝る前、そのまんまるお手々で、トイレでウンチをこねこねしていた事を……

眠ろうとしていたまゆさんを、一発で動かすにゃこさん

 

「ちゅーる半分ね」

「なんでにゃ」

「急にいっぱい食べたらゲーしちゃうでしょ?」

 

「にゃむぅ…」

「じゃ、先にもう寝るからね!」

 

にゃこさん、明日まゆさんが起きれそうもなかったらまたお願いしますね。