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前回のお話
12月31日、まゆさん冬眠明け。
長いこと眠っていたからか、ぼんやりしているまゆさんは、起きたばかりだというのに再び眠そうです。
「まだ12月31日。冬休み中。冬眠の続きを…」
まゆさんは、うつらうつらしながらベッドへ向かいます。
まだ起きたばかりだというのに…
冬眠明けはいつもこんな感じでしばらくボーっとしてしまうようです。
「にゃこもおねむねむ…」
その時。
“ちりんちりん”
「この音はっ!」
大晦日の正午。
村長がならす鈴の音が村中に響き渡っています。
ちりんちりんちりん
この鈴の音は冬眠から目覚めるよう、促す合図。
「やばっ。そうだ。明日は正月!」
「なんにゃ?おでかけにゃか?」
ポ村ではお正月になるとポ村民は皆、村役場に集まり年始のご挨拶をするのです。
このご挨拶に出席をしないと、村長に心配されてしまいます。
毎年冬眠ボケになるまゆさん。
冬眠明けは体内時計が乱れがち。
夜は眠れなくなるし、朝は起きれなくなります。
そのため一日中ボーッとしてしまう。
「明日…起きれる気がしないな。全くしない。よし、欠席の連絡を入れておこう」
「明日、おっきしなくていいにゃの?」
「うん、いいの。にゃこ、一緒にねんねしてよう」
「そにゃね。一緒にねんねすにゃ😪」
村長に怒られたっていいんだ、慣れっこだもの。
まぁ村長に直接言うのは怖すぎるから、マメチュー先生経由で伝えてもらおう。
うん、そうしよう。
「まゆさんの元気な声を聞くと、いつもこちらも元気になるんです。そして毎年、お正月はその元気な声を聞くと“年が明けたんだな”そう実感するんです」
「マ、マメチュー先生…!」
そんなことを言ってもらえるとは思ってなかったまゆさん。
ちょっと喜び🤩
「やっぱり村長同様、みなさんの顔を見て安心したいですしね。まゆさん、体内時計とか乱れてないですか?大丈夫でしょうか?心配です」
まゆさんはそんな優しいマメチュー先生を心配させてしまったようです。
「あ、あ、マメチュー先生!やっぱり明日行けます。行きます。私もマメチュー先生に会いたいです!」
”ほんとですか?よかった。では会えるの楽しみにしていますね”
「はい、では明日。失礼します」
…。
あれ?明日行くことになっちゃった?
ってか、うっかりマメ先生にのせられた?
まずい、だるいのに。。。
早急に体調を戻さねば!
“乱れた体内時計の直し方”
まずは、大晦日の柔らかな太陽の光を浴びる。
確かに体内時計は、たいそう乱れている。
だから眠気や倦怠感があるのだろう。
「にゃこも一緒に起きよう。日向ぼっこしよう」
「にゃむにゃむ…」
ねこさんというものは近づいただけで気配に気づき目が覚めたりするものですが、にゃこさんは安心しきっているのか、揺り動かされても目覚める様子がありません。
「つまんないな。ひとりだとまた眠っちゃいそうだよ。そんで夜眠れなくなって、明日寝坊しちゃうんだよね」
ガサッバサバサバサッ
「なっ、なに?煙突の方から変な音がするけど…ねぇ、にゃこ」
「にゃぷぅ、ぷぷぅ」
まゆさんの声ににゃこさんは反応することなく、眠り続けていました。
続きます