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「はぁ、なんかいっぱい寝たら疲れたなぁ」
冬眠から目覚めたまゆさんは、まだ夢の中にいるようなふわふわした感覚に包まれています。
一方、にゃこさんはまだ熟睡中。
「可愛い顔して寝てるわ」
さて、まゆさんの冬眠明けのお目覚め料理はお粥です。
長い間何も食べていなかったので、まずは胃に優しいものから頂きます。
村の名産品の梅干しをお供に。
「おいしー。ほっこり」
冬眠明け最初の朝食は、何でもない食べ物でもすごく美味しく感じます。
長いお休みの間に、たくさん寝て、のんびりご飯を食べて、ゆっくり過ごす。
せっかちな所もあるまゆさんですが、まだ頭もぼんやりしているため、このゆったり時間を満喫しているようです。
続いてのお粥のお供は、醤油をかけた鰹節。
鰹節が大好きなにゃこさん、その匂いで目が覚めたみたいです。
「あら、にゃこ。おっきしたの?」
「にゃもにゃも、ももも…」
「うん?寝ぼけてる?」
「もにゃ?まゆちゃん?」
「おはよう」
「おはようにゃ!なんにゃか、いい匂いするにゃね」
「お腹減った?ご飯食べる?」
「それ、かつぶし?にゃこさんにも、くだたいにゃ」
「かつおぶし?食べたいの?一口だけね」
「おいしにゃー。もう一口ほしいにゃ」
にゃこさんはまゆさんに向かって、大きなお口を開けています。
「一口だけって言ったでしょ?」
「だから一口にゃて」
そう言って”あーん”しています。
にゃこさんには”一口”の意味がよく分からなかったようです。
「もうあげないよ」
「なんでにゃ!」
何故かと問われれば、ねこさんが鰹節のミネラルを過剰に摂取するのは、よくないからです。鰹なんてねこさんは自分で捕って食べないはずなのに、何でそんなに好きなのでしょう。飼い主が好きなものをねこさんも好きになるというのは、本当なのでしょうか。インドのねこさんたちは、カレーを食べると言われていますしね。
今度、ねこさん用の鰹節を買ってあげようと思ったまゆさんですが、今食べているのは人間用のもの。
それが分からないにゃこさんは、まゆさんと同じく大好きな鰹節をもっと食べたくて、鰹節の近くにお口を持っていこうとしています。
そんなにゃこさんのフワフワした毛が、ぐいぐいまゆさんに当たる。
ふわふわふわー。
「ああ、にゃこったら、離れて」
ふわふわふわー。
そのふわふわした毛が気持ちよくて、可愛くてつい鰹節をあげたくなっちゃいますが…
でもうちのにゃこさんには三つ星グルメをあげる事にします。
「にゃにゃ?」
「ちゅーるも美味しいけど、三ツ星グルメも美味しかったよ?ツナみたいでさ」
「三ツ星グルメ?」
「おいしいでしょ?」
「にゃ!」
にゃっふにゃっふ。
まゆさんは携帯を見て今日が12月31日なのを確認。
「大晦日かぁ。年越しそばを食べたいところだけど、頭がボーっとするなぁ」
続きます