マメチュー先生の調剤薬局

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ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

冬眠明け その1

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「はぁ、なんかいっぱい寝たら疲れたなぁ」

冬眠から目覚めたまゆさんは、まだ夢の中にいるようなふわふわした感覚に包まれています。

 

一方、にゃこさんはまだ熟睡中。

「可愛い顔して寝てるわ」

 

さて、まゆさんの冬眠明けのお目覚め料理はお粥です。

長い間何も食べていなかったので、まずは胃に優しいものから頂きます。

村の名産品の梅干しをお供に。

「おいしー。ほっこり」

冬眠明け最初の朝食は、何でもない食べ物でもすごく美味しく感じます。

 

長いお休みの間に、たくさん寝て、のんびりご飯を食べて、ゆっくり過ごす。

せっかちな所もあるまゆさんですが、まだ頭もぼんやりしているため、このゆったり時間を満喫しているようです。

 

続いてのお粥のお供は、醤油をかけた鰹節。

鰹節が大好きなにゃこさん、その匂いで目が覚めたみたいです。

 

「あら、にゃこ。おっきしたの?」

「にゃもにゃも、ももも…」

 

「うん?寝ぼけてる?」

「もにゃ?まゆちゃん?」

 

「おはよう」

「おはようにゃ!なんにゃか、いい匂いするにゃね」

 

「お腹減った?ご飯食べる?」

「それ、かつぶし?にゃこさんにも、くだたいにゃ」

「かつおぶし?食べたいの?一口だけね」

「おいしにゃー。もう一口ほしいにゃ」

にゃこさんはまゆさんに向かって、大きなお口を開けています。

 

「一口だけって言ったでしょ?」

「だから一口にゃて」

そう言ってあーんしています。

 

にゃこさんには一口の意味がよく分からなかったようです。

「もうあげないよ」

「なんでにゃ!」

 

何故かと問われれば、ねこさんが鰹節のミネラルを過剰に摂取するのは、よくないからです。鰹なんてねこさんは自分で捕って食べないはずなのに、何でそんなに好きなのでしょう。飼い主が好きなものをねこさんも好きになるというのは、本当なのでしょうか。インドのねこさんたちは、カレーを食べると言われていますしね。

 

今度、ねこさん用の鰹節を買ってあげようと思ったまゆさんですが、今食べているのは人間用のもの。

それが分からないにゃこさんは、まゆさんと同じく大好きな鰹節をもっと食べたくて、鰹節の近くにお口を持っていこうとしています。

そんなにゃこさんのフワフワした毛が、ぐいぐいまゆさんに当たる。

 

ふわふわふわー。

 

「ああ、にゃこったら、離れて」

 

ふわふわふわー。

 

そのふわふわした毛が気持ちよくて、可愛くてつい鰹節をあげたくなっちゃいますが…
でもうちのにゃこさんには三つ星グルメをあげる事にします。
 

「にゃにゃ?」
「ちゅーるも美味しいけど、三ツ星グルメも美味しかったよ?ツナみたいでさ」
「三ツ星グルメ?」

 

「おいしいでしょ?」

「にゃ!」

 

にゃっふにゃっふ。


まゆさんは携帯を見て今日が12月31日なのを確認。

「大晦日かぁ。年越しそばを食べたいところだけど、頭がボーっとするなぁ」
 
続きます