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「ごめん、後でな」
「なんでにゃ?」
「うーん」
「なんで?」
「…」
「ああ、にゃこ…」
大好きなにゃこさんに泣かれてしまい困ってしまうケイヒさん。
でも…
ケイヒさんは、先ほどからぼんやりと薬箱を眺めていました。薬を飲むのは苦手なくせに不安な気持ちからつい、色んな市販薬を買い置きしたくなる
安心のためだけに購入しているから、1・2回使って…もしくは1回も使わないまま使用期限が過ぎてしまう薬も多いようです。
実はケイヒさん、ちょっとしたストレスで、今日もまた胃が痛い。でも薬を飲むかどうか迷っている様子です。
ケイヒさんは、可愛いにゃこさんに泣かれると本当に困ってしまう。
「分かった、分かったよにゃこ」
「にゃむ?」
「ちょっと調子が悪かったんだけど、今さ、薬飲むから…薬が効くまでもう少し待ってな?」
…
……
「にゃにゃ?」
「うん、分かってる。飲む飲む」
飲むために薬を購入したのに、薬が喉に貼り付く感覚がしていつも飲むのを躊躇してしまいます。
「水をたくさん飲めば、いいんだ。この悩みはマメチュー先生に解決してもらったんだ」
記事:教えてマメチュー先生 薬を飲む時のお水の量
”よしっ!”
ゴクゴクゴクッ
20~30分後
ケイヒさん、薬が効いて元気になったようです。それなのに再び薬箱を眺めています。
胃薬は使い切ったけど、その他の薬は結局使う機会もなく、使用期限が過ぎてしまいました。
「この薬、どうしようか」
「全くもう」
「マメチュー先生、薬って普通に捨てちゃっていいんですか?」
「お薬の捨て方についてですか?」
「今ちょっと思ったんですけどね。いわゆるごみ漁り婆ちゃんとかが何処かから現れて、俺が不用意に捨てた期限切れの薬を飲んでしまうかもしれない」
「ごみ漁り、婆ちゃん…?」
「そんで婆ちゃんがその薬のせいで具合が悪くなって。原因を探っていったら俺が不用意に捨てた薬のせいだって判明して。んでもって結局婆ちゃん、そのまま死んじゃって。俺は最終的に過失致死傷罪?だか不法投棄?だかなんかそんな罪に問われて逮捕。刑務所の中でむやみに薬を捨ててしまった俺は、一生婆ちゃんを弔い続けながら過ごし刑務所を出てもなお…」
マイナス思考の妄想が、血相を変えて列島を暴走爆走疾走中。
「ケイヒさん?大丈夫ですよ。そんなごみを漁るおばあさんは、この辺にはいません」
「分からないじゃないすかっ!」
確かにねこさんやカラスはやりかねないかも…
お薬を処分する時は、容器から取り出して”顆粒・カプセル・錠剤・軟膏”は封筒や紙袋等に包んで処分します。
申し訳ないけれど、古いお薬には新しいステージに生まれ変わっていただきます。貼り薬も湿布自体は可燃ゴミです。目薬・飲み薬は、新聞紙や布に吸収させてから可燃ゴミとして処分しましょう。排水溝に流してしまうと、河川の汚染につながるおそれがあります。
「河川の汚染?魚や動物たちの飲み水に影響があるかもしれないんですね。聞いといてよかった。マメチュー先生、今日もわざわざありがとうございました」
「いえいえ、薬の処分方法は分かりづらいですものね」
「にゃぷ?」
「にゃこ、もう起きたのか?」
「また、遊ぶにゃ」
「なにしたい?」
「だるまさんがころんだがいいにゃ」
「好きだな、それ」
かわいい生き物たちに悪影響が無いよう、お薬は正しく処分しましょうね。