マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

おしゃべりな人 その3

⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら

⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら

 

前回のお話

ねこさんが大嫌いなまゆさんの伯母ペリコ。にゃこさんがまゆさんパパと遊びに行っている隙に、まゆさん宅に遊びに来たようです。ペリコ伯母さんは一人、おしゃべりをし過ぎたせいか、のどが痛くなってしまったとのこと。

 

「のど飴ある?」

「のど飴の場所?薬箱じゃない?」

「どこにあるの?」

「タンスの上だったかな。忘れた。探してみて」

「なによそれ。あたしが探すの?」

 

「自分が欲しいんでしょ?子供のころ遊ばなかった?物を隠して”宝探しゲーム”って。それをやらせてあげよう」

「いい年してやりたくないわよ。そんなこと」

 

「のどが痛いんでしょ?探している間だまってたら?少しのどを休ませなよ」

「探さなくちゃいけないなんて、なんかめんどくさいわねぇ」

 

「見つけたらカップ麺を食べさせてあげる。食べたことないって、しょっちゅう言ってるからさ」

「しょっちゅうなんて言ってないわよ。でも、カップ麺?…美味しいの?」

 

 

「そういうとこ、うちの母ちゃんに似てるよね」

「そういうとこってなによ」

 

「先入観や思い込みで決めつけて、新しいものに挑戦しないとこ。勝手にカップ麺を下に見てるでしょ?」

「あんたのお母さんに似てるなんて、あたし言われたことないんだけど」

 

 

「ええ?よく似てるじゃん。顔が大きくて身長が小さい所とか」

「失礼ねっ」

「どうでもいいけど、早くしないとねこが戻って来るよ」

「キャー。やだー!」

 

 

「だから早くのど飴探して!早く早くっ」

「だって、どこにも置いてないわよ。薬箱なんて」

「ない?やっぱりないかぁ。薬箱を家の中で見たと思ったんだけど。そうか、あれは実家で見たんだ」

 

「ええ?なによそれ!じゃあのど飴は?」

「うん。のど飴舐めないから薬箱があっても、入ってないかも」

 

「ないの?」

「噛んじゃうんだよね。飴のたぐいは全部。のど飴って噛んだら意味ないから」

「全くもう。ないなら最初からそう言ってよね!」

 

「蜂蜜ならあるよ。友だちからもらったやつ。のどの炎症にも効くはず」

「あら、蜂蜜?ありがとう。あたし蜂蜜大好き」

「早く舐めた方がいいよ。うちのねこ、蜂蜜好きだから戻って来ちゃうよ。蜂蜜とあらば、すぐにやって来るんだから」

「そうなの!?猫のくせに生意気ね!だけどこの蜂蜜やたらと美味しいわ。ヨーグルトにかけても美味しそう。トーストにもいいわね。紅茶にも絶対合うと思う」

 

「あ、ねこ…」

 

「いやだ、うそ!じゃあ、あたしもう帰るわ」

「ああ、そう?じゃあ蜂蜜をお土産にあげるとしよう。あとはカップ麺」

 

「いいの?蜂蜜!とカップ麺ね。ありがとう」

「じゃあねー」

「また来るわっ」

「ふぅ、長い話だったなぁ」

 

 

にゃこさんですが、実は今日は実家にお泊りです。

お帰りは明日のお昼。

 

「”ねこ…”の毛だ。ねこの毛もホコリも髪の毛もなんでか、部屋のすみっこが好きだよね」

「分かるけどね。すみっこ落ち着くもんね。電車内の座席もすみっこが一番人気だし」

…。 

 

「さてー」
まゆさん、伸びをしております。

「ようやく静かになったし掃除しよ。にゃこ、楽しんでるかなぁ」