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前回のお話
夏、よく道端で亡くなっている昆虫と言えば、アオドウガネ。せっかく生まれてきたのに…
アオドウガネと同じくらい道端で亡くなっている昆虫に、蝉もいますね。
他の生物が亡くなっている姿はあまり見かけないのに、アオドウガネや蝉はどうして自分が死んだ事を伝えたいのでしょう。
せいぜい手を合わせる事くらいしか、私には出来ません。
私が住む地域でよく見かける蝉は、アブラゼミとかミンミンゼミ。
彼らには失礼ですけど、なかなかにトリッキーなお姿。
私には蝉の模様は怖いのですが、その模様の異様さが不思議で神秘的にも思えます。
個人的な感想になりますが、私にとっては蝉の子どもさんの方がまだ親しみやすい。
目は人間の目の方が、見た目はあんまし可愛く無い。
人間の目が昆虫についてたら今よりさらに怖い気がします。
逆に昆虫の目が人間についていたら…
それって仮面ライダーみたくなるのかな?
そうそう、動物達の目が黒目がちで可愛らしいのは、敵にどこを見ているかわからないようにするためらしいですよ。
私は夜、蝉の子どもさんが羽化する姿を、じっと見つめていたことがあります。
人間にはない、今このとき、大人の姿に変わる瞬間。
変態する昆虫は、はっきりと大人と子どもの区別がつくようになっています。
もう、子ども時代に戻ることはできません。
なんだか嬉しいような、切ないような気持になります。
そうそう蝉の子どもさんが怖くないのはヨタヨタと、危なっかしそうに歩くからなのかもしれない。
ゴキ太郎のようにスッタカ走り回られたら、怖かったかも。
飛行したり、足が必要以上に複数ある生物は、他の生物よりも特に怖い。
一方よちよち歩きの蝉の子ども。
頼りなげに夜中、道の真ん中を一生懸命歩いて行く蝉の子どもさんをみると、アオドウガネの時のようについ手助けしてしまいたくなる。
本能に頼り過ぎず、今の状況を自分で判断して、安全な場所に向かって欲しいものです。
蝉の子どもは、いつまでも彷徨っていると、体力が無くなって羽化が出来なくなるそう。
今回もサービスで、葉っぱの裏にくっつけてあげましょう。
でも完全に大人になる前に、この場を離れるポいも。
なぜなら大きくなった貴方の姿はやっぱり苦手だから。
一緒にいた友人に反射神経を褒められました。
あとこうして、ピクリとも動かない蝉も怖いです。
通常だったらだったらすでに死んでいるか、もしくはほぼ動けない状態のはずなのに蝉の場合は…
ひっくり返って全く動かない状態の蝉だと言うのに動く可能性を考え、怖くて心臓はドキドキ。
皆さんも苦手ではないですか?
この状況。
…で。
結局、危惧していた通りになる。
たまにひっくり返ったゴキ太郎を見かけますが、彼らはこうして元気に復活してくることはない。
亡くなっているゴキたろさんには申し訳ないのですが、安心して横を通過できます。
でも蝉は…
地中からやっと出られたのだから、こうして命尽きる最後の瞬間まで、夏を楽しんでいるのかもしれない。
イタズラして遊びたかったのかもしれない。
でも実際は、体力が無くて静かにしているだけだそうです。
近付くと暴れ出すのは、人が怖くて逃げようとしているんです。
お互いに怖がっていたというわけなのですね。
ちなみに、蝉さんの生死の見分け方。
生きている蝉は足が開いているそうですよ。
そういう場合は元気よく逃走する可能性があるので、苦手な方は要注意です。