マメチュー先生の調剤薬局

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ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

姉妹 その3

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前回のお話

トビーくんは探し物の途中、ポ村に現れた知り合いだという女性に出会います。

覚えていないトビーくんは訝しみますが、女性が語るトビーくんの情報は正確なようでした。

 

「トビーくん、キッズ用コスメいらない?」

「こすめってなんだ!?毒薬か?」

「あげたい女の子いないの?」

「なにぃ。最強なのは男の子だっ!女の子は守ってあげなくちゃいけないものだっ」


「やだなぁ。ちっちゃい昭和男!ドキッとしちゃうこと、突然言うなよぉ」

「ドキってなんだ?心臓悪いのか?」


「ふふ、またそんなこと言って。2年前の5月15日の話していい?トビーはさ、好きな女の子の話してたよ。おゆうぎ会で手をつないだって、みんなに自慢してたんだから」

「なにっ?好きな女の子なんていないよ!」

 

「2年の歳月を経て、そういう話は恥ずかしくなっちゃったか。当時、きみが好きだった女の子の名前はねー」

「言っちゃだめ!言わなくていいよっ」

 

「あ」

「いっちゃだめー」

 

バサバサバサ

 

「あ?カラスケだ!」

丁度良く現れてくれたカラスケくんに、トビーくんはほっとしています。

「カラスケ…くん?」

 

しょうまさんとカラスケくんは、初めましてのようです。

 

「こんにちは、カラスケと言うだす。ちょっとお聞きしたいのだすが、それ…そのキラキラしたのなんだすか?」

カラスケくんはコスメと同じくらいキラキラした目で、コスメをみつめています。

「これが気になるの?きみ、キラキラしたの好き?」

「ふふ。キラキラしたのはいいだすね。見ていて楽しくなっちゃうだす。これで遊んだり、嘴を研いだりするのが好きなのだす」

「そうかぁ。でもこれは遊び道具には向かないと思うなぁ」

「そうなのだすか?」

 

「ちょっとそこの子、カラスケくんか。こっちおいで」

「わたす?なんだすか?」

「嬉しい?」

「くれるのだすか?嬉しいだす!」

 

トビーくんはそんなしょうまさんとカラスケくんのやりとりを、じっと見つめていました。

「トビーがコスメを貰ってくれないなら、おねえちゃんに塗ったくってやろう」

「むっ!おねえちゃんに意地悪しに来たのか!姉妹げんかはだめだぞ!お前に聞きたいことがある!そのおねえちゃんは誰なんだ!?」

 

「ん~?抱っこさせてくれたら教えてあげる」

「怪しいやつめ!村長にチクってやる!」

「そ、村長!?」

 

実は大学の同級生のまゆさんとともに、村長が苦手らしいしょうまさん。

 

 

 

「今日はやっぱ帰ろー。どうせてんまにも、逃げられるだろうし」

「む?誰だって?」

「あたしのこと、今度は忘れるなよ。そうそう、無くしたっていうおもちゃ、おうちに帰ってママのカバンの中見てごらん。多分入ってると思う」

「むむ?」

 

こいつの笑い方…

どこかで見たんだけど。。。

 

しょうまさんの1歳違いのおねえさん、てんまさん。あともう少しで思い出せそうな、トビーくんでした。