マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

姉妹 その2

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前回のお話

トビーくんは探し物の途中、ポ村に現れた知り合いだという女性に出会います。覚えていないトビーくんは訝しみますが、女性が語るトビーくんの情報は正確なようでした。

 

「でも大きくなったね。うーん…2年前から身長は10センチ以上は伸びてるかな?当時は幼稚園生だったね」

「う!なぜそれを!いやいや、トビーが何歳かなんて、見ればなんとなく分かるもののはず…」

 

「きみは今もちっちゃいけど、もっとちいちゃくて。その時、丁度お昼でさ。トビーは、ママにご飯食べさせてもらってたよ」

「なんだそれ、うそをつくな。幼稚園生だったら、もうご飯くらい一人で食べれてたよ。やっぱりうそつきだ!」

 

「うそじゃないよ。トビーはね。その時ハンバーグを食べてたよ。デミグラスソースの。美味しそうにしてた。きみ、ハンバーグ好きでしょ?」

「子どもはみんなハンバーグが好きなのだ」

 

「そうだね。付け合わせのフライドポテトもおいしそうに食べたたけど、子供の嫌いなにんじんはやっぱり食べてなかった。インゲンも嫌がってたね。野菜は好きになった?」

「もうピカピカの小学1年生だ。給食でちゃんと残さず食べてるんだ」

 

「本当?じゃあ、大人になったんだね。あの時は青い幼稚園の制服みたいなの着てたのにね」

「どうしてトビーのお洋服のことまで知ってるんだ!お前、ほんとに何者だ!」

 

「あたしの名前?まだ思い出さない?」

「…」

 

「あたしね、しょうまっていうんだ」

「…聞いたことないお名前」

 

「寂しっ。自己紹介2回目なんだけどなぁ。すっかり忘れたおわびに抱っこさせてー」

「子どもを誘拐しに来たのか?」

「む?」

「もう、この子は危ないし、人聞きも悪いんだから」

 

トビーくんは近くでしょうまさんを見て、急に何かを感じたようです。

 

「この村にね。知り合いがいるからさ。それで遊びに来ただけなんだけど」

「知り合い?」

 

「そう、あたしのおねえちゃん」

「おねえちゃんはね、知り合いじゃないよ」

「知り合いじゃないの?」

 

「そうだよ、家族だよ」

「ああ、うん。そうだね。確かにね。そう家族」

 

「で、お前のおねえちゃんって誰だ?」

「…」

「言えないのか?」

 

「ほんとに覚えてないんだねぇ。あのとき一緒にいたよ?」

「ねぇトビーくんは、女の子だっけ?」

「むむ!?」

「トビーは男の子っ!」

 

「だよね。知ってる。キッズ用コスメいらない?もらったの。あたし化粧品会社で働く薬剤師なんだ」

「こすめ?」

しょうまさんは、化粧品に配合する成分の研究等をしている薬剤師なのです。

 

続きます