前回のお話
薬屋さんごっこをしている、ねこ森町のねこさんたち。
話の流れで“人間が口にしている薬は美味しそう”ということになり、こっそり手に入れることに。
“でもどうやって?”
小さな脳みそで考えた末、マジックハンドを使い、バレずに薬をかすめとることにしたようです。
「にゃぁ」
「にゃちぃ」
「にゃむぅ。うまく出来ないにゃ」
そりゃそうです。
クリームパンみたいなねこさんのお手々では、マジックハンドなど上手に使えるわけがありません。
がたがた。
かちゃかちゃ。
人間のお手々とは違うことに、いまいち気づいていないねこさんたちは、マジックハンドを上手く使いこなせず大騒ぎ。
物音を立てて存在感抜群のねこさんたちの犯行は、すぐに気付かれてしまいます。
当初の予想通り、作戦は大失敗。
「お遊びはここまでですよ」
「にゃ!?」
人間の手によって、ねこさんたちのいたずらグッズやお薬は回収されてしまいました。
「なんでにゃー」
人間用の薬はねこさんにとって本当に危険なもの。
でもそれを理解するのはねこさんたちには、どうやらちょっと難しいようです。
なので動物たち、他にも幼い子供さん等と暮らしている家族の方は普段から落とし物には気を付けているのです。
さて、ここで改めてー。
人間用の薬を猫に与えるのは厳禁。
確かに動物病院で使用している薬のほとんどは、人間と同じものを扱っています。
なのですが、人間とねこさんは身体の大きさがかなり違うし、身体の仕組みも違います。
そもそもねこさんは他の動物に比べて、薬を吸収・代謝し排泄する能力がかなり低いとされています。
なので人間の薬だけではなく、犬用の薬もねこさんにとっては強い副作用が出ることもあるので、与えないようにしてください。
注)ねこさんだけではなく、処方薬は他人に譲渡すること自体厳禁です。
特にねこさんに与えてはいけないことで有名なのは、市販薬の解熱剤に多く含有されているアセトアミノフェン。
これは他の解熱剤に比べ副作用が少なく子供も安全に使用できるお薬です。
一方ねこさんの肝臓はアセトアミノフェンをうまく代謝できません。
【ねこさんが服用してしまった場合の副作用】
食欲不振、嘔吐、顔面浮腫。出血性の胃潰瘍。
チアノーゼをおこし、赤血球の破壊、肝臓壊死による黄疸。
飼い主から投与されたねこさんが本当に亡くなってしまった事例もあったそうです。
口にしてしまったことに気が付いた場合は、即病院へつれていってあげてください。
「みなさーん、ちゅーるがきましたよー」
お薬を取り上げられて、ブツクサ言っていたねこさんたち“ちゅーる”に反応。
「にゃーいっ」
「にゃったー」
薬に執着しているねこさんたちの記憶を一瞬にして忘れさせてくれる道具。
“ちゅーる”
いつも助かっています。