マメチュー先生の調剤薬局

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ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

怖がり屋さん その5

前回のお話

ポ村小で開催される肝試しが嫌でたまらない、ビビりに悩む小学六年生のヨモギくん。
でも女子に馬鹿にされたくないため、まずはビビり克服にチャレンジ。
トビーくんに、怖いもの克服の特訓に付き合ってもらっています。


「特訓2,虫さんと遊ぼう」
「おお、それいいじゃん!」
「嫌ヨォ!」


ケイヒさんは農家という仕事柄、昆虫に慣れてるとのことだったけど、ナメ江さんは気絶しそう。

僕もだけど。

「えー。なら特訓3!怖い話しよう」
「アラ、楽シソウ!小学校デ肝試シ、ヤルノヨネ。」
「それは今度にしよう」

「ケイちゃん、今度って?」
「そのうちだよ」
「僕もそのうちで…」

今回はナメ江さんが、うれしそう。
一方、ケイヒさんは自分がいないときに、怖い話の特訓をしてほしそうだった。


「ヨモギ、全部こわがるー。ナメやケイちゃんより怖いの多いよね」


”ほんとだ。僕はなんでも怖い”


「それじゃあ…うん。こうしよう!」

トビーくんは、ナメ江さんとケイヒさんに、なにやらごそごそと内緒の指示を与えていた。


「ヨモギはこっちねー」
「なにするの?」

僕とトビーくんを残して、ナメ江さんとケイヒさんは立ち去って行った。


「怖い話」
「えぇ?やっぱりするの?」
「悪の十字架ってしってる?」
「知ってるよ。”開くの十時か”でしょ?さすがにそれは怖くないよ?」


「むむ、じゃあさ、恐怖のみそ汁は?」

恐怖のみそ汁ってそもそもなんだろう。
かちかち山でたぬきが作ったおばあさん鍋は恐怖だけど。




「うああああぁっ!!…びっくりしたぁ」


しゃべって?


「きゃきゃー、やっぱりヨモギは怖がり屋さんだー」
「どど、どっきり?」

木陰に真顔かつ無言で突っ立っているという、シンプルどっきり。

「これ前ね、ペンネくんと一緒に知らない人に試したことがあるんだー」
「あるの?やめようよ」
「でもヨモギほど怖がってくれなかった」

“どっきり“もし道端で人が真顔で立ってたら?

ちょっとびくっとしただけ。
多分、どっきりされているとは分かっていないと思われる。

「はぁ、驚いた」

ふと、気配を感じて振り返る。

背後から近寄る怪物

「??なんですか?」
「これは驚いてくれないんだ」

僕がちょっとしかビクつかなかったのが、不満な様だった。


「これも知らない人にやってみたの?」
「モンスターポーズで、後ろから近付いて来る人がいたら驚くかな?ってペンネくんと言ってたんだけど、まだ実験してなかったやつなんだ」
「実験、やめとこうね」


続きます