マメチュー先生の調剤薬局

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ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

怖がり屋さん その2

前回のお話

ビビりで悩む小学六年生のヨモギくん。
ポ村小では、六年生は一年生のお世話をするのですが、ヨモギくんの背後にはなにか良からぬものがそーっと近づいているようです。

忍び寄る小さき者。

いたずらっ子の一年生


「びっくりしたぁ。ちょっと驚かしただけなのに、ヨモギ声大きいよ。事件並みだよ」
「ヨモギは今日も面白いね」
「ごごごご、ごめんね。トビーくん、ペンネくん、おはよう」


”1年生は可愛い。でもなんで驚かされた僕の方が、文句を言われ謝っているのか”


こんな小さな1年生にも”怖がり”だって馬鹿にされてしまう僕。
さすがに女の子にも、かなり年下の子にもからかわれると、ちょっと…
だいぶ落ち込む。
世の中、人をからかったりするのが好きな人が多すぎると思う。


そういう人がいない世界、この世にないかなぁ。
そんな妄想をしていた時。


【お知らせ】
今年初!ポ村小学校主催の肝試しを行います。興味のある方はご家族やお友だちをお誘いの上、参加してください。

最悪のお知らせだった。

そして怖がる僕の様子を、面白そうに見る皆の目も怖かった。


「ヨモギくん、参加するよね?」

僕がビビっているのを分かっていながら、ガラゴちゃんはそんなことを言ってくる。
女子ってさぁ。
男子よりもよりビビりな僕のことを馬鹿にしているように見える。


こういうところ、ほんと苦手。
関わってこないでほしい。


参加したくない…
けど、みんなと一緒に参加出来たらいいのに、とも思う。


そんでもって、女子たちを見返したいとも思う。
僕のことをからかってもつまらないって、彼女たちに思わせたい。


「するよ。参加」




”まだ六年生なんだから、少しくらい怖がりだっていいのよ”
祖母はいう。


肝試しに参加すると言ってしまった…
だけど後悔よりは見返したい気持ちの方が強い僕は、身近な大人にビビりのことを相談してみた。
とりあえず、祖母の意見は参考にならなかった。
祖母にとっては幼稚園生くらいに、ひどく幼く見えているのだろう。


”そういうのを個性っていうのよ。人はそれぞれ違ってていいんだ、そう聞いたわ”
母はいう。


誰の意見なんだろう。
ママの意見を聞きたかったのに。


最後に聞いた父からは”情けない”とかって言われると思ったら”俺に似たんだな”なんていいながら笑っている。
父には申し訳ないけれど、僕の方がそんな父を情けないなって思った。
僕のコンプレックスなんて笑い飛ばそうと思ったんだろうけど、僕はそんなのを求めていたんじゃなかった。


解決したい切実な問題だったんだ。
👻 👻 👻

何度も思い出すこのセリフ

ビビりって言われて、からかわれないような男に。
大人になったら、家族を守れるくらいの男に!


そしてピンクの絆創膏が似合うなんて言われない男に…


ジェンダーレスなんだから、それでもいい?
男の子がビビりだっていいのかな?
でもな、やっぱりピンクじゃなくて青が好きなんだ。


青が似合うようになりたいんだ。

続きます